21 ページ21
.
あの日、初めて廉の涙を見た
人の涙を見て初めて綺麗だと思った
廉の過去を聞いて
廉の弱いところを見て
もっと好きになった
この人を支えたい
守ってあげたい
幸せにしたいって思った
弱さを見せあった私たちの距離は
前よりも少しだけ近づいた気がする
「もう、また置きっぱなし…」
テーブルの上に廉の学校のかばんが置きっぱなしにしてある
これで何回目だろう…
部屋に置いてこようと持ったつもりが
持ち損ねて床に落ちた
しかもチャックが空いてたみたいで
中身が全部出てしまった
「はぁ、最悪…」
ひとつずつ拾ってかばんに入れていく
「あっ、学生証だ…」
学生証の写真までイケメンってどういうこと
顔はいいけど性格がなぁ…
なんて思って見てるとふと目に入った
生年月日の文字
"1999年 1月 23日"
あれ？今日何日だ…
すぐ携帯を確認する
「えっ、明日じゃん！」
明日の予定は…バイトだ…
今から休みにしてくださいなんて出来ないし
こんなことならもっと早く聞いとけばよかった
好きな人が生まれた日
ちゃんとお祝いしたかった
その日はずっと明日のことを考えてた
次の日、ちゃんとおめでとうも言えないまま
学校に来て授業が終わってそのままバイト
授業中もバイト中もずっと廉のこと考えてた
この時間だともうケーキ屋さんも空いてない
歩いて帰っていると
家の近くにあるコンビニが見えてきた
廉の誕生日が終わるまであと少し
このまま何もしないままだと
きっと後悔する
私は急いでそのコンビニに寄って
買い終わって走って家まで帰った
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 305人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りり | 作成日時：2021年1月4日 16時
