はんぶんこ (ページ12)

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廉「お前食べすぎやろ」

「いいじゃん！廉は食べないからそんなガリガリなんだよ」

廉「うるさいわ。ガリガリ言うな」

久しぶりの花火大会

嬉しすぎて屋台でいろいろ買いすぎた

「あっ！あそこ座ろう！」

運良く空いてる場所を見つけて座る

廉「なぁ、俺の思い出作りなんやけど」

「そうだけど…」

廉「なんかお前の方が楽しんでるやん」

「仕方ないじゃん…花火大会なんて久しぶりに来たんだから」

廉の思い出作りで来たけど

そんなこと忘れるくらい楽しくて

でも肝心の廉はどうなんだろう

楽しんでるのって私だけなのかな

「廉は楽しくないの？」

廉「普通やな」

「でも廉が来たくて来たんでしょ？」

廉「せっかくの夏休みやし、夏っぽいことしたいなって思っただけ」

廉って時々何考えてるのか分からない

そのくせ人の気持ちには敏感っていうか

あの瞳で見られると

全部見透かされてる感じがする

廉「あと、お前が見たそうやったから」

「えっ…」

その時ドーンと大きな音がした

廉は顔色ひとつ変えずに

夜空に上がる花火を見ていた

そんな廉の横顔が綺麗で

しばらくの間見とれていた

廉「ほら、始まったで？」

「あっ、うん…」

そう言われてやっとちゃんと花火を見た

でもあんなに見たかった花火なのに

廉のせいで全然集中して見れなくて

気がついたら終わっていた

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