はんぶんこ (ページ18)

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季節が変わり

冬がやってきた

私は冬があまり得意ではない

寒いのが苦手ってこともあるけど

それよりも大きな理由がある

お母さんが亡くなった季節だから

その日はすごく寒くて

少し雪も降ってた

日に日に弱っていくお母さんを見るのは

すごく辛くて悲しかった

お母さんは最後まで笑ってた

「幸せになってね」

そう言ってくれた

廉「A、ゲームしよ」

「私ゲームしたことないよ」

廉「大丈夫やって。Aくらいの頭でも簡単に出来るやつやから」

「ねぇ、それ遠回しに馬鹿って言ってるよね？」

そんな言い合いをしながら

廉が持ってきたのはトランプだった

「2人でババ抜きでもするの？」

廉「アホか。全然おもんないやろ」

「じゃあ何？」

そう聞くと廉はトランプの束を2つに分け

「これAの分な」と言って

1つの束を私に渡してきた

廉「せーのでそれぞれの束から1枚引いて、数が大きい方がなんでも出来るゲーム」

「何そのゲーム。聞いたことないよ」

廉「俺が考えたんやもん。数が大きい方は質問でもいいし命令でもいい。とにかくなんでもいいってことや」

「じゃあいくで、せーの」という廉の掛け声で一斉にめくった

「うわっ…」

廉「俺の勝ちやな。何にしようかな～」

私が2で廉が8だった

ニヤニヤしながら言うことを考えてる廉

絶対悪いこと考えてるじゃん

廉「よし！じゃあ腹筋50回！」

「はぁ！？」

廉「命令は絶対やからな？」

「もう！やればいいんでしょ」

偉そうにしてる廉にムカついたけど

ゲームするって言ったのは私だし

仕方なくやってると

廉「おい、足動いてるやん」

そう言って私の足を持って

「今から50回な？」と笑った

ムカつく顔してるけど

だけどそれよりも

廉に触れられていることが

すごくドキドキした

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