アンブレラ (ページ32)

今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:19,917 hit

32 ページ32

.

あれから海人にも報告した

海「紫耀！Aのこと泣かしたら許さないからね！」

なんて言ってたけど後から

海「Aおめでとう」

って優しく微笑んでくれて

すごく嬉しかった

それからは受験勉強で忙しかったけど

紫耀くんとの関係も順調で

私たちは今日高校を卒業した

「もう卒業なんて早いね」

紫「いろいろあったね俺たち」

卒業式が終わって紫耀くんと屋上にいる

「たくさん泣いたな～」

なんてわざと言ってみると

紫「ちょっとそれは…ごめん」

ってあからさまにへこんでる

「あははっ、でも今こうやって笑えてるから全部チャラだよ」

紫「ふふっ、ありがとう」

こうやって隣に紫耀くんがいて

笑ってくれてるだけで

それだけで十分幸せだから

紫「Aちゃんこれからもよろしくね」

「うん。よろしくお願いします」

なんて言って2人で笑い合う

あの日私が傘を忘れてなかったら

紫耀くんが傘を貸してくれてなかったら

きっと私たちは話すこともなかった

あの出来事がなかったら

こんなに辛い思いをすることはなかったと思う

それと同時に

こんなにも大切に想うこともなかった

辛い思いした分幸せになれるって

誰かが言ってたけど

あながち間違ってないのかもしれない

こんな大切な気持ちを教えてくれて

ありがとう

end