アンブレラ (ページ29)

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紫耀side

Aちゃんの教室に行くとAちゃんはいなかった

他の子に聞くと

「海人くんとどこか行っちゃった」

と言われた

空き教室とか図書室とか

いろいろ回ったけどいなくて

最後に来たのが屋上だった

ドアを開けると

泣いてるAちゃんと海人がいた

海「紫耀…」

紫「ごめん…話してる途中だったよね」

海「ううん。もう終わったからいいよ」

この2人に何があったんだろう…

いつも笑ってるのに

海「じゃあ俺帰るね。2人とも素直になりなよ！」

海人はいつものように明るくそう言って

俺たちを残して帰っていった

紫「Aちゃん大丈夫？」

「うん…」

紫「海人となんかあった？」

そう聞くとAちゃんは頷いて話し始めた

「海人にね、好きって言われたの」

海人話したんだ…

「私今まで海人のことたくさん傷つけちゃった…最低だよね」

こんな弱々しいAちゃん見たことない

そんなに自分を責めないでよ…

紫「じゃあ俺も最低だ」

「なんで？」

紫「Aちゃんのこと傷つけたから」

「えっ…」

ちゃんと言わなきゃ

言葉にして伝えなきゃ

紫「ごめんね。今まで辛い思いさせて、たくさん泣かせて」

Aちゃんがまた泣きそうな顔になる

紫「ありがとう。ずっと支えてくれてそばにいてくれて」

紫「遠回りしたしすごく時間もかかったけど、俺はAちゃんのことが好きです」

「うそっ…」

Aちゃんの頬に涙が伝う

紫「嘘じゃないよ。俺はAちゃんが好き」

Aちゃんは泣きながら

「わたしもっ…紫耀くんが好きです」

と伝えてくれた