アンブレラ (ページ25)

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海人なんで違う大学行くんだろ…

しかもいきなり言い出すし

相談とかあってもよくない？

もう1回ちゃんと話したいな

なんて考えてたら

「痛っ…」

転んで膝を擦りむいてしまった

みんなに心配されたけど

「大丈夫大丈夫。保健室行ってくるね」

って言って1人で保健室に向かう

あれ？前にもこんなことあったよな…

あっ、紫耀くんに傘貸してもらった時だ

「失礼します」

先「はーい。って怪我してるじゃない！ほら早くここ座って」

そう言って先生は消毒液やガーゼを準備して
手当てをしてくれた

「すみません。ちょっと考え事してたら転んじゃって」

先「考え事？何か悩んでるの？よかったら聞くよ」

そう言って優しく微笑む先生

紫耀くんはこの笑顔が好きなんだ…

「先生は好きな人に好きな人がいたらどうしますか？」

こんなこと聞くつもりじゃなかったのに

気づいた時にはもう遅かった

先「私は…分かんないかな。そんな状況になったことないから」

「そうですよね…すみません。なんか変なこと聞いちゃって」

「ありがとうございました」と言って保健室を出ようとしたけど

先「好きな人いるの？」

先生のその一言で引き止められてしまった

「います」

振り返ってそう答えた

「でもその人には他に好きな人がいて…だから私応援するって決めたんです」

先「でもそれって…」

「辛いです。でもその辛いって気持ちよりその人のそばにいたいって気持ちが勝っちゃうんです」

「でも、その人最近失恋しちゃって…」

先「そうなんだ…」

なんで先生にこんな話してるんだろ

「あっ、すみません。先生に関係ないですよね。失礼します」

そう言って逃げるように保健室を出た

「はぁ…何してんだろ私」

紫「ため息ついたら幸せ逃げちゃうよ」

「紫耀くん…」

後ろを振り向くと紫耀くんが立っていた

紫「何してんの？」

「転んで怪我しちゃって保健室行ってたの」

紫「大丈夫？」

「うん。ありがとう」

「紫耀くんはどこ行くの？」

紫「保健室行こうと思って…」

「そうなんだ…」

また先生に会いに行くのかな

先生が結婚してから保健室には行ってなかったのに

やっぱりそう簡単には諦められないよね…