地獄 ページ2
『貴方 side』
｢ゴホッゴホッ....｣
目を覚ましたそこは暗くて、物置か何かなのかな....
たしか控え室でドユンさんに襲われて...
DY｢起きたみたいだね｣
ドユンさんの声に咄嗟に立ち上がる
｢ここはどこ｣
DY｢テレビ局の地下の一番奥にある物置だよ｣
｢一番奥....｣
てことは、ここまで助けが来るのに時間がかかる
....ダメだよ期待なんかしちゃ
皆は今収録中なんだから来れるわけがない
もし来てくれたとしても、考えただけで罪悪感で潰されてしまいそうだった
｢なんで....
なんでこんなことするの｣
DY｢僕だってあのあとちゃんと君を忘れようとしたんだよ。だけど偶然SNSでカフェのこと知ってさ。また気持ちが芽生えちゃったんだ｣
｢もうやめて...｣
DY｢やっぱり僕はAちゃんが大好きなんだよ｣
｢....っ｣
DY｢それから色々考えたりもしてね。あいつらが一番奥辛いことはなんなのか｣
｢なによ...｣
DY｢簡単だよ？Aちゃん、君がいなくなることだ｣
｢何言って...｣
｢だから迎えに来たんだよ。アイツらには僕の邪魔をしたことを後悔させないとね｣
この人は何を言ってるの？
訳が分からない
自分の欲を満たすために、後先考えずにこんなことして
だけど、立ち上がったこの体は既に恐怖で動かなくなってしまっていた
DY｢あの時は勘がいいヤツらが何人かいてね...
ほんと邪魔だったよ｣
嘲笑うかのように吐き捨てられたドユンさんの言葉に数人の顔が頭に浮かぶ
あの時は影で守ってくれていたことなんて知らなくて
ありがとうじゃ足りないくらい感謝してる
だけど、彼らの優しさでさえ
今の私にはとても辛かった
DY｢Aを守ろうとする正義と、俺への嫌悪感に満ちたあの目付き？思い出しただけでもイライラするよ｣
｢...みんなは何も悪くない｣
DY｢僕にとっては悪いところだらけなんだけどな｣
｢みんなには何もしないでしょ...？｣
DY｢もちろんしないよ。する必要がないって言った方が正しいかな？｣
｢どういうこと...｣
DY｢今からAちゃんは僕のものになるんだから。そうしたらアイツらには何もしなくて済むよ？｣
｢何言ってるの...｣
DY｢大丈夫。そんなに怖がらなくていいんだよ｣
不敵な笑みを浮かべてジリジリと距離を詰めてくるドユンさん
後ろに下がるもその先にはすぐに壁があって
ダメだ、もう逃げられない
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作者名：コノシ | 作成日時：2021年1月18日 15時
