オレンジの世界。

嫌い？ ページ29

「…わた、おはよう」

『んーはよ』

同棲して3年目

同棲したばかりの頃は毎日幸せいっぱいで

…なのに

挨拶の時くらい目見たって…

今日は久しぶりに起きる時間が一緒で

朝ごはん食べようと思ったのにな

いつものようにシャワーを浴びにいった

彼のために2人分用意する

『…じゃ、行ってくるわ』

「えっ！待って！ご飯は？」

『…いつも食ってないから』

「…そ、そっか。いってらっしゃい」

ん、と素っ気なく返事をして

そそくさと出ていく

はぁ…

最近明らかに冷たい

わたし何かしたかな…？

飽きられちゃった…？

忙しいから構ってられないとか？

気分は落ちたまま仕事の準備を始める

………

「ただいま」

１人、家に挨拶

今日も2人分の食材で料理していく

お昼頃にLINEもしたけど

既読はつかないまま

下ごしらえが終わって一息

あとは放置で出来上がり

「今日帰るの何時頃？」

…見る時間ない、わけはないよね？

他の通知で気づかなかっただけかも

「お仕事お疲れ様。

ご飯作ったよ。いつ帰れる？」

ネガティブな考えがよぎって

それを忘れようと無理矢理ポジティブに

無意識に変えてる自分がいる

はぁ、、、

溜め息ばっかりだ

と、そこに電話の着信音

「…っ、わた！」

「もしもし！」

『…ごめん、帰るの何時か

わかんねーわ』

「そ、そっか…

お疲れ様。ご飯は？」

『…明日の朝、食べる』

今日朝食べていかなかったじゃん…

出てくるのは不満ばかり

「気をつけて帰ってきてね、うん

それじゃ切るね」

…ぷつん

さて、今日もいつも通り

1人で寂しくご飯食べてお風呂入って

寝ようかな

…………

『…た、ま…

ご…な？

明日も… ほん、、 な』

…ん？

なに？

暗闇の中でなにかがうごいてる気がした

「…わた？」

むくりと起き上がって

隣の温もりへと手を伸ばす

「今日もお疲れ様…おやすみ」

少しでも触れるともっと寂しくなっちゃうから

虚しくなっちゃうから

やらない

恋人ってなんだっけ

幸せってなんだっけ

分かんないや(笑)

ごそごそと布団に潜り込んで眠りについた

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