オレンジの世界。

水族館デート2 ページ25

セイウチパーフォーマンス笑(ショー)

が始まった

「うわ、おっきい」

『だな(笑)』

飼育員さんに連れられて出てくるセイウチ

ノソノソと動くかと思いきや

想像よりも早い動きをする

飼育員さんたちが楽しく盛り上げる

飼『みなさーん、反応小さいですよ〜

もっと大きく〜もう一度行きますよ〜』

セイウチたちが口に手を当てて

人間の笑い声のような音をだしたり、

ビールの栓を抜く音、

鉄砲で撃たれる真似だったり

子供はもちろんお婆ちゃんや

おじいちゃんまで大笑い。

ショーを見つつも、隣が

気になって

可愛くへこむほっぺたに

目元によるしわを盗み見する

するとふとこっちを見て

『ショーちゃんと見ろよ(笑)』

ってちょっとだけ呆れたような声色で

「み、見てるよ！！」

って反論する。うん、見てるよ

ここにいる誰よりも楽しんでるくらい

見てるよ？その楽しみの中に

わたの笑った横顔があるだけ

ショーも終わりの方

投げた輪投げをセイウチがキャッチする

飼『誰かお手伝いしてくれる方いませんか〜？』

あげてる餌のせいで臭くなるかもしれない

というと途端に手が下がる

チラリと彼を見ると

険しい顔してる

『やろっかな』

「え？！」

スッと手を上げると

飼「じゃあそこのお兄さんにお願いしよかな〜」

「あっ、わた…？」

『はーい』

得意気に笑うと見とけ、って目で言われる

そのまま飼育員さんに連れていかれ

輪っかを投げる

見事とったセイウチに拍手が起こる。

飼「はーいお兄さんありがとうございます〜

ではそんなお兄さんにセイウチ達から

ほっぺのちゅーをプレゼントしちゃいます！」

飼2「それ罰ゲームちゃう？」

え、ほっぺちゅー…？

ドッと湧く歓声の中で1人戸惑う。

汚れないためのエプロンを着けさせられて

ほっぺちゅーされる。

戻ってきた彼に

「もう急にビックリしたじゃん」

『いいじゃん、思い出思い出(笑)』

そんな感じでショーは終わり。

最後にセイウチに触れるサービスもあった

水族館をゆっくり一周回って

『そろそろ帰ろうか』

手を差し出される

昼は暖かかったけど

夕方になると日も暮れて

少し肌寒い

『お前それ寒くねぇの？』

「大丈夫だよ」

『…人が心配してるんだから頼れよ』

え…？

ほいっ、とカイロを渡される

『今はまだカイロで十分だろ』

「う、うん。ありがとう…」

ノート貸して5→←ノート貸して4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す