オレンジの世界。

酔っ払い ページ14

○○まで迎えに来て

夜遅くに連絡が来たと思ったら…

もう…

仕方なく車を出して彼を迎えにいく

どうせ外出ないし、このままでいいか

上は長袖だけど、下は短めのパンツ

今日は肌寒いなぁ…

ふわふわのブランケットを脚にかける

お店の前にくると、

誰かに支えられて立っている彼が見えた

？「あっ、Aちゃん！」

『…藤ヶ谷さん』

藤「ほら、わた！Aちゃん来てくれたよ！」

渉「ん〜？A？」

完全な酔っ払い…

『ごめんなさい、藤ヶ谷さん！

付き合ってもらっちゃって！』

藤「いいの、いいの〜じゃ、ごめんね。

わた任せるよ〜」

渉「たいしゅけバイバイ〜」

藤「はい、バイバイ〜」

時々こんな風に酔っ払うんだよね

『はい、わたこっち』

なんとか車に乗せて出発

渉「ね〜、A〜寒い…」

『ん？寒い？』

すかさずブランケットを渡すと

肩を覆う


渉「んー、あったかい…」

可愛くもぞもぞとブランケットにうずくまる

その様子をほっこり見ていると

「A、寒くないの？」

『あぁ、うん。大丈夫だよ』

心配してくれるのは嬉しいけど

今はわたのほうが心配だよ

突然、スッと手を出されたと思ったら

『…手』と一言。

今日は珍しくなんか甘えん坊で可愛いな

と思いつつ、手を重ねる

こんなにスキンシップの多いわたは

初めてで戸惑う

ギュッと握られた手が緩まると

太ももに触れる

…ん？

さわさわと撫でられる

『くすぐったいってば…』

声で静止しても止まらなくって

「あっためてあげる〜」

って悪い顔

…だっ、騙された！

やめてってば

寒くないから、ね？

聞き見持たず…

『今、運転中だから…』

そう言うと、ハッとして手を離す

良かった

眠いのかあくびをすると

目をつぶる

可愛い…

「男に可愛いって言うなよ」

起きてたらきっとそうやって怒る。

『わた、着いたよ』

身体を揺すって起こす

起きない…

『もー起きてよ…』

酔っ払いはこれだから困る…

「…ん、A…」

恐ろしく可愛い！！

呆れながらも

そんな彼が愛おしい

可愛さにつられて

ほっぺをツンとついてみる

ぷにぷにしてる

『むにむに〜』

ほっぺでしばらく遊んでいると

突然パッと目を開く

『わっ、』

ゴシゴシと目を擦る

それは寝起きの子供みたいに

『ふふ、可愛い』

「…もう、家着いた？」

うん、って返事したら

そっか〜ってニヤリと笑う

…？

「忘れたの？

運転中じゃなかったらいいんでしょ？」

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