【gnsn】公女様！ (ページ7)

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タルタリヤSide

「ここからは説明した通りに動いてくれ。近くには捜索を続けている第六小隊がいるはずだから情報共有はしっかりしてくれよ。」

霊矩関への道中、何処かよそよそしく落ち着きがない臨時隊に俺は少し違和感を感じていたが、目の前で深く敬礼をする部下達を見て、抱いていた違和感は薄れていく。

指示通りに霊矩関の捜索へ各々散らばったのを見届けてから、俺も捜索を開始した。

しかし探すも探すも手掛かり一つたりとて掴めない。

「はっ、なるほど。これは思ったより厄介そうだ。」

何の成果も得られない事に若干腹立たしさを感じ、霊矩関を一周見回す。

不審な所など何も無い。

ここまで何も得られないとなると、第八小隊がここに着く前に何かのトラブルに巻き込まれた可能性が出て来る。

しかし誰一人として連絡が取れなくなる程のトラブルとは一体？

いやそれ以前に、俺は何かを見落としているのではないか…？

生憎頭脳戦に向いていない俺は考えても答えが出るはずもなく、しかしそれと平行する様に愛しい人影が脳裏を過る。

「A…。」

ポツリ、零れ落ちた呟き。

Aはある力(・・・)が女皇様に認められて＂公女＂の名が与えられた。

この場にAがいればきっとその本領を発揮していただろう。

しかし、自分で危ないからと止めておいた手前救援を要するのは些か格好が悪過ぎる。

「Aはこの状況をどう打破するかな。」

Aの突出した能力。

公女の名へと繋がった力…それは_____…。

「公子様。」

考え込んでいた思考を引き戻したのは、一人のデットエージェント。

大方、『手掛かりが一向に見つかりません』と経過報告に来たのだろう。

「霊矩関の湖の中の捜索許可を出して頂けないでしょうか。」

しかし、部下の口から出たのは思ってもいない言葉だった。