明けない夜は無い日はまた昇る (ページ16)

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14【空閑遊真②】ページ16

｢ひ、一目惚れです!!
好きです!!付き合ってください!!｣

『……ごめんなさい…
私貴方の事全然知らないくて
そんな好きとか考えたことないから…』

｢じゃあ!! 僕の事知ってってくれれば!!｣

『ごめんなさい…私心に決めた人がいるので』

そう笑顔で言い
会釈
をして体育館裏から小走りで歩く

『(あーもぉ!!
遊真達と食べる予定だったのに!
さっきので昼ご飯食べ損ねたクッソ!!)』

心の中で悪態をつきながら
教室に向かうA

教室に入ると空閑の席の周りに
人が集まっていた

『……？どうしたの？』

その問いかけに
二ツ木さんが答えてくれた

二｢あのね Aちゃん!!さっきね!!｣

『へ、へぇ……すごいね』

二「空閑くん、さっきのすごかったね!
『ズドン!』って!」

空「ほ?」

三好「なにあれ、中国拳法?」

二「昨日もあいつらにやり返してたし、
空閑くんってただ者じゃない感じする!」

空｢いやいや、あのくらいぜんぜん。
タダ者です」

三｢(目立ってる…)｣

二ツ木「ねえねえ、
空閑くんが前に住んでたのってどんなとこ?
なんていう国?」

『(門の向こうから来ました
なんて言えないよなぁ……)』

三｢(変なことしゃべるなよ)｣

空｢(はいよ)
うーん、国の名前言っても
わかんないと思うよ」

三好「そうそう、すげーマイナーな国らしいぞ。
空閑、野球もテニスも
サッカーも知らなかったし」

二「サッカー知らないって
どんだけだよ!」

『(……今度教えてやるか…)』

四「少なくともヨーロッパ圏じゃないな」

一之瀬「じゃあさ、
その国ってなにが流行ってたの?
趣味とか音楽とかスポーツとか」

空閑「ふーむ……戦争?」

三好「戦争…⁉」

『……戦争…(懐かしいな)』

周りが驚く

空閑「いろんな国まわったけど、
大体どこも戦争中だったよ
ほとんど毎日戦闘状態だったし、
物心ついた頃からずっとそんな感じ」

四「紛争地帯にいたってことか…!」

一「ひえー想像つかない…!」

三好「すげえ幼年時代だな…
でもなんか納得した!
やっぱただ者じゃないわ!」

三｢(日常的な戦争状態
そういう環境が空閑の人格を作ったのか)｣

『(なるほど…たしかに戦争が
間近にあれば一般人とズレるわけだ)』