明けない夜は無い日はまた昇る (ページ14)

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ザワザワと
先程の音を聞きつけて来た野次馬が
沢山いた

三「うわっ⁉ なんだこれ⁉」

空「おう、おかえり」

『思ってたよりも早かったね』

三雲が目にしたのは
壁に向かってシャチホコのような
姿勢で伸びている男性達だった

空「大丈夫だオサム。
今度はホネ折ってないぞ、たぶん」

三「そういう問題じゃない‼」

『でも絡んできたのはあっちだよ？』

三｢夜明も見ていたなら止めてくれ!!｣

空｢Aも半分やってたぞ
俺一人じゃない｣

空閑がさりげなくチクる

『あ、ちょ』

三｢夜明が？｣

驚いた顔をした後
すぐに仏頂面になった

『あ、あはは』

乾いた声で笑うAだった

三「学校の時から思ってたが…」

ジャンクフードを食べながら
歩く3人

三「お前の行動は暴力的すぎる!
なんでも暴力で解決しようとするのをやめろ!」

『えー』

空「ふむ? どういうこと?
例の【やられてもやり返すな】ってやつか?」

三「……ちがう!
もっとマシな解決法があるだろって話だ!
暴力に暴力でやり返したら、
相手と同レベルだろ!
そもそも暴力は法律で禁止されてる!」

『まぁそうだけど…』

腑に落ちないという顔をするA

空閑「うーん…日本の法律ルールは
よくわからんけど…
相手が法律を守るとは限んないじゃん。
そういう場合はどうすりゃいいの?」

三「…!」

空「法律ってのは世界を回すためにある
おまえを守るためじゃない
…親父がむかしそう言ってた
いざって時に自分を守れるのは、
自分の力だろ。
あとはまあ、逃げ足とか数の力とか…」

三「…」

『なんかその人
私の昔の知り合いと似たような事言うなぁ』

空｢そうなのか？｣

三｢(なんだこいつは……
言っている事は小学生みたいな理屈なのに
言葉に妙な本気度を感じる…)｣

空「うーむ、しかし…
日本だとそれじゃまずいのか?
さっきもやたらざわざわされたし…」

『まぁ普通にまずいでしょうね』

三「…! そ…そうだ!
日本だとまずいんだ!」

空「ふむ、だったら。
オサムとAがおれに
日本のこと教えてくれよ」

三「…え⁉」

『それは構わないけれど…』

空「日本のことがもっとわかれば、
おれはもっとうまくやれるかもしれない。
だろ?」

三雲「…!｣

そういい

空｢ゴミは持って帰る｣

そう言ってゴミを鞄の中に入れる空閑

『そうそうえらいえらい』

そう言って空閑の頭を撫でるA

まるで姉弟のようだ