・ ページ26
「皆さんまだ寝ていますから、僕の部屋でテラリウムを鑑賞しましょう。新作がたっくさんあるんですよ」
『わーい!!』
ジェイドのエスコートでオクタヴィネル寮に入ると、・・・なんだか暗い空気が漂っている。
「・・・その前に、アズールに会いに行きましょうか」
『え、でも寝てるのでは?』
「それが困ったことに、・・・いえ。本人を見た方が確実です」
ジェイドに連れられるまでもなく寮長室の前へ。
ノック無しで入るのもまた一興ですよ
というアドバイスに従い、不躾にも寮長室へ入った。
『わ〜・・・想像を上回る散らかりよう・・・』
契約書類はもちろんのこと、マジカルペンまで床に放置されている。
仕方ないので全部拾って机に置こうとしたが、これまた散らかり放題の机。
・・・でもないか。
アルバム整理をしていた痕跡があるだけだ。
『アズール氏ぃ〜。隠れても無駄ですぞ』
机の傍にしゃがみ込む。
丁度椅子が入り込む狭い空間にアズール氏が縮こまっているのだ。
「・・・軽蔑しましたか」
『声カッスカス。こりゃ重症だわぁ』
暗くてアズール氏の顔がよく見えないので
引っ張り出す。
『この写真のことでしょ。マジカメ写真の現像くらい誰でもするって』
「貴女の写真だけ そうしてるんですよ?」
『それは個人の自由なので。・・・早速 寝ましょ。写真云々より目の下の隈をどうにかしてくださーい』
「あの・・・・・・オクタヴィネル運動着・・・似合っていましたよ」
『そ、そーですか//』
彼の手を引っ張ってベッドに連れていこうとしたが、
ソファで横になりたいらしい。
「タチウオちゃーん!!」
「フロイド。静かに」
「うぇ・・・アズール膝枕してもらってる〜。ズルい!!」
『じゃ、フロイドには私の肩を貸します』
「僕には何を?」
『・・・・・・・・・・・・せ、背中を・・・』
本当に貸す羽目になった。
146人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:スカフィロ | 作成日時:2020年8月1日 1時