接近禁止強化月間報告会前半 ページ17
(監督生SIDE)
僕は涙ながらに、レオナ先輩とラギー先輩に頭を下げていた。
昨日、怪我と貧血で倒れていた親友を助けてくれたのだ。
接近禁止強化月間だったのにも関わらず
彼女を心配して駆けつけたサバナクロー生は本当に大切にAのことを想っているんだな。
｢では、A・シュニーレイン接近禁止強化報告会を始める｣
｢その前にセッキンキンシキョウカ月間をもう一度説明してくれ!｣
｢いいですね。では発案者であるこの学園長が 説明しましょう。私、優しいので｣
ホリデー中の寮長会議が事の発端だった。
そろそろAの入寮を決定しなければならないらしく､
学園長が決議を執ったのだ。
彼女を欲さない寮は無い、ということは想定内だったので この"接近禁止強化月間"が提案された。
｢皆さんの想いはよくわかりました。しかし順位をつけるわけにはいかない。そこで!!｣
とあるルールを１ヶ月遵守することができた寮に、入寮させることを決めました。
｢そのルールとは･･･｣
リドル先輩が呆れたように聞いた。
1週間前はもっと輝かしい顔をして聞いていたのに。
｢ズバリ、Aくんに接近してはならない! いいですか? 喋らない触らない すぐ逃げる!! 3つのSを守ってくださいね!!｣
あなた方にとって1番苦痛となるルールを選びました。
なお、判定者や審判はAくんの親友である監督生さんにお願いしましょう。
｢早速、今週で失格した寮を発表します･･･。彼の親友として大変大変たいっへん不本意な理由ですが｣
負傷したA･シュニーレインを抱えて保健室に駆け込んだサバナクロー寮を失格とさせていただきます･･･。
｢ｼｼｼｯ 誉れ高き失格っスね｣
｢これで この政策の矛盾に食われることもないだろう。ラギー、寮の連中に伝えにいくぞ｣
｢はいっス!!｣
｢どういうことよレオナ｣
｢ヴィル。お前もよくわかってんだろ。ここにいる全員が知ってることだぜ｣
奥歯を噛み締める音が聞こえたので
レオナ先輩の言う通りなのだろう。
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作者名：スカフィロ | 作成日時：2020年8月1日 1時
