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in side .
「…今日は、ここまでいい。」
「は?急になに、」
「…いや…ていうか…これからは送ってくれなくてもいい、から…じゃ、じゃあねっ!」
「ちょ、おいっ…!!」
大貴の声を無視して走った。
一緒の空間に居るのが辛くなった。
ただただ惨めで、悲しくて…寂しい。
もう…なんであんな人好きになっちゃったんだろう…
最近は誘ってもキスすらしてくれない。
それどころかうざいだのきもいだの、扱いが酷すぎるよ!
もう、限界かも。
こんなの、恋人っていえるの?
…それとも、俺が舞い上がってるだけ…?
「…大貴の、ばかっ…」
ドンッ
「いっ…!た…」
下を向いて一目散に走っていたから、前が見えていなくて人とぶつかってしまった。
「いってえーなあ!てめえ、どこ見てんだよ!!」
「ひっ…!ご、ごめ、なさ…」
「…あっれー、結構可愛いじゃん。
…ちょーどいいや、ちょっと相手になれよっと。」
そう言うと、俺の腕を引き無理矢理どこかへ連れて行こうとする厳つい男の人。
「っ…や、嫌だ…は、はな、して…おれっ、男で…」
「うるっせえーなあ!今イラついてんだよ、さっさと来いころすぞ!!」
「い゛っ…!!」
人気のない、細い路地の壁に押し付けられた。
気持ち悪い鼻息が段々と近づいてくる。
掴まれた手に力が入らない。
抵抗しようとしても微動打にしない。
…こわい、
いやだ、たすけて…助けて…
「ぅっ…っ……だいきぃっ…!!」
_____「慧、ちょっと目え瞑ってろ。」
「…へ…」
言われた通り目を瞑っていると、男の苦しそうな声と、骨が折れるような痛々しい音が聞こえてくる。
「…はあ…もういいぞ。」
目を開けると、息を切らした大貴の姿。
視界の端には倒れた男の姿。
「…だい、き…」
「全く、目離すとすぐこれだよ…」
……思い出した。
大貴のこと好きになった理由。
" …大丈夫? "
そう言って、見て見ぬふりだって出来たはずなのに、俺が上司にセクハラされていたところを助けてくれて…それで……
「…慧?立てるか?」
「う、うん…」
「…怖かっただろ……帰るぞ。」
…そうだ…俺が震えながらも頷くと
こんな風に、優しく微笑んでくれたんだ…。
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ランチ(プロフ) - 連投すみません。先程【ホテイアオイ】拝見したのですが、すごく良かったです。裏が好きという言い方はどうかと思うのですが、弟の兄への想いがすごく伝わる裏表現でした。アンケートの件も拝見しました。もし続編が見れるなら【アングレカム】【モモ】希望します。 (2020年4月30日 0時) (レス) id: a8df699084 (このIDを非表示/違反報告)
ランチ(プロフ) - 究極の選択ですが、【アングレカム】が一番好きです。伊野尾くんの《泣きながら想いを伝える》これ一番好きなんです。むにこめ様のその表現力が大好きすぎて。プラス幼なじみ。素晴らしすぎます。でも、どんなお話でもいつも私の大好きな作品です。頑張ってください! (2020年4月30日 0時) (レス) id: a8df699084 (このIDを非表示/違反報告)
ろこ(プロフ) - むにこめさん、初めまして!迷いましたが私は「モモ」のお話が1番キュンキュンしました! (2020年4月25日 3時) (レス) id: c674a2ac23 (このIDを非表示/違反報告)
みつこ(プロフ) - 書き込み失礼します。ゴデチアが好きですー!どのお話も好きですが。ありいのに目覚めてしまう〜。 (2020年4月24日 17時) (レス) id: a8b7209441 (このIDを非表示/違反報告)
むーも(プロフ) - どの作品も本当に素晴らしくて、何度も見返しているのですが、やっばり私は社会人パロのありいのが好きです!ちょっと、弱くてかわいい伊野尾くんとS岡、オス岡前回のとこがたまらなかったです。私の好きなありいのが詰み合わさってました!!! (2020年4月23日 23時) (レス) id: 81797863cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにこめ | 作成日時:2020年3月20日 19時