Bouquet. ( ar×in shortstory )

＊ ページ39

ar side .



｢無理、してなくていいよ。
…フラれても、俺は大丈夫だから。ちゃんと、これからは…

慧のこと…" お兄ちゃん "って呼ぶ、から…っ｣


この気持ちに気づいてから、ずっと封印していた言葉。

…ちゃんと言うから。普通の兄弟に戻るから。

だから、慧までそんなに悲しそうな顔しないで…？


｢…ごめ、んね……お、にぃ、ちゃ…｣

｢だめっ…！｣


慧の細くて綺麗な手によって塞がれた言葉。
その手はびっくりするほど冷たくて、小さく震えていて。
なんだか胸が更に苦しくなった。


｢言わ、ないでっ…｣

｢…けい…？｣

｢ちがうっ…おれ、ほんとなの…

本当に、大ちゃんのことが、スキなのっ…｣


…なんで

なんで俺のために、そんなに必死な顔をするんだろう


｢…どーしても、信じてくれないの…？｣

｢…｣

｢……分かった｣

｢…は、！？え、ちょ、慧っ…！？｣


慧が床に膝をついて、ソファに座る俺のズボンのベルトを外し始めた。突然の行動に思考が追いつかないうちに、パンツからモノを取り出され、パクッとその小さな口に咥えられる。


｢…ちょ、けぇっ…！はな、して…やめっ…っ！！｣


大好きな慧から自身を含まれるという、夢にまで見た出来事に我慢なんて出来るはずもなくて。情けなくも呆気なくイってしまった。


｢ん……わかって…くれた…？｣

ごっくんと喉をならして飲み込む慧のあだ やかな姿に、背徳感で胸がいっぱいになる。


｢大ちゃんがスキ。

…もう、弟ととしてなんか見れなくて…正直困ってる｣


｢けいっ……いいの…？
俺、慧の嫌がることたくさんしたんだよ。

それにずっと…ずっと、お母さんとお父さんに隠していかないといけないんだよ…？｣


｢…いいよ｣


｢っ…俺、慧のこと、離すつもりなんかないよ…？
…これから、彼女作ったり、遊んだりだって…｣


｢いいの。

…例え親も、友達も全部失ったとしても、大ちゃんがいてくれればそれでいい。

だって俺、大ちゃんのことダイスキだもんっ｣


…本当にいいんだよね


もう絶対、一生、" お兄ちゃん " なんて呼んでやらないから


俺をここまで異常にさせたんだから…覚悟してよね、慧



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