Bouquet. ( ar×in shortstory )

＊ ページ25

ar side .



｢んっ…ま、だいちゃ…っ……やめてっ！｣


深いキスをしながらソファに押し倒しすと、両手で勢いよく胸元を押し返された。


｢っ…ねえ…大ちゃ…どうしたの…？


…おかしいよ…こんなのって…｣


｢…慧…俺のこと、好きでしょ？｣


｢っ…好き、だけど…でも、…｣


不安そうに眉を下げ、上目遣いで涙目。


…その顔が俺の理性を壊すんだって、分からないのかな？



｢！？ゃっ…あ、だいちゃ…足退けてっ…｣


慧の股に足を押し付けると、少しずつ大きくなり反応するソレ。ズボン越しに指でなぞってやると、大袈裟に逸れる身体。


｢ふぅっ…！ん…ゃめっ…んんっ…｣


｢…声、女みたい。かわい。｣


｢…だい、ちゃ、ぁ…ねえ、やめ、て…？｣



_______限界、だ。



｢…無理。もう止められない。｣


｢…えっ…？…ちょっ、やだっ…！大ちゃんっ…！｣




……中学生の頃、実の兄に恋心を抱いているという、自分の歪さに気付いてしまった。


それからというもの、家でもなるべく会いたくなくて、ずっと慧を避けていた。


寝ているところや、シャワー後の慧なんか見たら…勢いで襲ってしまうかもしれないから。


…慧は昔みたいに、"お兄ちゃん"って呼んで欲しいみたいだけど、俺はそんな呼び方したくなかった。



_____だって、慧はお兄ちゃんだから。



実の兄弟なんて、結ばれることなんかないんだから。


切なくて、苦しくて、


それでもこの気持ちはどうしようもなくて、


…せめてもの抵抗で、名前で呼ぶしかなかったんだ。



｢っ…け、い……慧っ…｣


｢んっ、ぁ…だ、めぇっ…んっ…｣


｢…スキ、だよっ…｣



…例え、叶わない恋だとしても


俺には、慧しかいないんだよ……。




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