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「だーいちゃんっ」
有「唯!」
毎週水曜日の放課後、下駄箱でクラスが違う彼女の唯と待ち合わせをするのが俺の日常。
俺はサッカー部で唯は吹奏楽部に入っているから、放課後は二人とも部活がない水曜日にしか一緒に帰れない。
しかもクラスが離れているから、学校ではなかなか会えない。だから二人にとって、この時間はすごく大切なもの。
唯「…大ちゃん?聞いてる?」
有「あっ…ごめん!もう一回言って!」
唯「もぉ〜、どうしちゃったの?…何か悩み事?私、聞くよ?」
悩み、というか…
今日の昼休み、伊野ちゃんの頬に泣いた跡があったから、何かあったのか聞いたけどまたあしらわれちゃって。
それで何となくまだ気になってて、伊野ちゃんの事ばかり考えてしまっていた。
有「…伊野ちゃんがさ…」
唯「いの、ちゃん…?他の女子のこと考えてたの?」
有「あっ、違う違う!!伊野ちゃんは、最近うちのクラスに転校して来た男子!」
唯「なんだ〜、よかった♪」
唯は、こういうところに敏感。
俺が女子から告白されたって噂で聞いただけでもすぐ泣いちゃうし。
正直、嫉妬してもらえるのは嬉しいけど、ちょっとだけ面倒だと思ってしまうこともある。
…でも、顔可愛くて優しいし、こんな完璧な子に告白された俺って幸せ者なんだなと実感する。
だから、少し嫉妬深くてもあまり気にしない。
女の子って皆こんなもん、だよね…?
唯「で?伊野ちゃんが、どうしたの?」
有「…何か悩んでるみたいなんだ。
役に立てないかなって。」
唯「ふふっ、大ちゃんは友達想いなんだね。」
…友達、かぁ。
俺と伊野ちゃんは、まだ友達ですらないと思う。
少なくとも彼はそんなこと思ってない。
…それでも、俺は…
唯「大ちゃん、私の家着いちゃった。」
有「…うん。」
唯「…ねぇ?」
唯が上目遣いで俺を見つめてきたのが合図。
俺は、少しかがんで唯に軽くキスをした。
これが、俺らの毎週水曜日の日課。
唯「…へへ、ばいばいっ、部活頑張ってね!」
有「…おう!唯もな!」
唯を家まで送り、反対方向の自分の家へ帰る。
…なんだか最近、唯と一緒にいても、キスをしてもドキドキしなくなった。
そんなに経験があるわけじゃないけど、今まで付き合った女の子の中では一番長く続いているのに。
これは、倦怠期というやつなのか…
鈍感な俺には、分からなかったんだ。
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むにこめ(プロフ) - mapiiさん» コメントありがとうございます!面白いなんて、嬉しいです…!もっと楽しんで頂けるように頑張りますね^^* (2017年4月15日 0時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
mapii(プロフ) - すごく面白いです……!彼女さん……どんまいだ。有岡くんの嘘と、伊野尾くんの秘密がこれからどうなっていくのか、とても楽しみです。続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年4月13日 18時) (レス) id: b71e8cca2b (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - 明 日 音。さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです(´;ω;`)頑張ります! (2017年4月6日 23時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
明 日 音。(プロフ) - むにこめさんのありいの大好きです!続き応援してます♪ (2017年4月6日 21時) (レス) id: 622c57b769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにこめ | 作成日時:2017年3月24日 23時