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十五頁 ページ16

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伊「大ちゃん、先生にプリント持って行こっか!」

有「う、うん…」


職員室の先生にプリントを届けに、スキップをしそうな程ルンルンで教室を出ようとする伊野ちゃん。


…なんだか俺がさっきの質問に答えた後から、すごく伊野ちゃんのテンションが上がったような気がするのは気のせいかな。

…ってそんなことより!!
今嘘ついちゃったこと早く否定しないと…!


伊「だーいちゃん♪」

有「ん?、わっ」

伊「どうしたの?…行こ?」


いきなり手を握ってきた伊野ちゃんが、頭をかしげながら俺を見て、また不安そうな顔をする。


"嘘だよ〜!俺だって彼女くらいいるわ!(笑)"


言いかけた言葉は、何故か喉に引っかかったようになかなか言えなかった。




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山「は!?伊野ちゃんに彼女いないって言った!?」

有「お前ばかっ!!声でけぇって!」

知「大貴の声の方が充分大きいと思うけど…てか、なんでそんな嘘ついたの?」

有「……わかんない。」


翌日、伊野ちゃんが休み時間にトイレに行っている間、山田と知念に昨日ついた嘘のことを話した。

二人ともすげぇ驚いてる。

…そりゃ当然だよな、嘘ついた本人ですら驚いたのに。


でも、本当に分からないんだ。

正直に答えればよかったのになんで…



伊「みんな何話してるのー?」

有「わっ!い、伊野ちゃん…」

伊「?どうしたの大ちゃん。そんな驚いて…」

山「伊野ちゃんそれが、大ちゃんには…」

有「わーーっ!!山田、ほら、つ、次の授業の予習っ、しなきゃ!なっ?」

山「は?なに言ってんの、いつも予習どころか宿題もしないやつがさ。…まぁ、俺もだけど。」


丁度その時チャイムが鳴った。


伊「…?…ふふ、変な大ちゃん(笑)」


そう言ってにこやかな表情で笑うと、自分の席へささっと戻る伊野ちゃん。


…た、助かった…。


ほっと一息つくと、席替えをして隣の席になった知念が小声で話しかけてきた。


知「…大貴、このまま嘘つき続けられる思ってるの?せっかく涼介が…」

有「…わかってるよ、そんなこと。」

山「まぁ、どうせいつかはバレると思うけどね。」


斜め後ろの席の山田からそう言われた。


…わかってる、わかってるよ。


…ただ、あの時、


どこか不安そうな、儚い表情の伊野ちゃんを見ると、何故か"いる"という一言がどうしても言えなかった。


そういえば今日は水曜日で、放課後に唯と会うのが憂鬱だなんて初めて思ったのもこの日。




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むにこめ(プロフ) - mapiiさん» コメントありがとうございます!面白いなんて、嬉しいです…!もっと楽しんで頂けるように頑張りますね^^* (2017年4月15日 0時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
mapii(プロフ) - すごく面白いです……!彼女さん……どんまいだ。有岡くんの嘘と、伊野尾くんの秘密がこれからどうなっていくのか、とても楽しみです。続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年4月13日 18時) (レス) id: b71e8cca2b (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - 明 日 音。さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです(´;ω;`)頑張ります! (2017年4月6日 23時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
明 日 音。(プロフ) - むにこめさんのありいの大好きです!続き応援してます♪ (2017年4月6日 21時) (レス) id: 622c57b769 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むにこめ | 作成日時:2017年3月24日 23時

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