十四頁 ページ15
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それは、八月のとてもとても暑い日。
俺は、数学のテストで一人だけ赤点を取って放課後補習を受けていた。
補習といっても、数学のテストの数字を変えた問題を一人黙々と解くだけ。
有｢あ゛ーっ！！わかんねぇー！！｣
伊｢も〜大ちゃんうるさいよぉ。数分置きに席立ち上がるのやめてくれない？｣
有｢伊野ちゃ〜ん、そんな冷たいこと言わないでさ…答え教えてっ？｣
伊｢可愛い顔してもだーめ。一応再テストなんだから、一人で解かないと。｣
有｢ちぇっ、けちー！…てかなんで伊野ちゃんも同じ問題解いてるの？数学の点数よかったじゃん。｣
そう、伊野ちゃんの数学の点数はクラス一だった。
だけど、俺が補習すると決まったら、"俺もそれ解きたいです"と先生から同じプリントを貰ってた。
伊｢…復習にちょうどいいの。勉強っていうのは予習も大事だけど、復習の方が大事だと俺は思ってる。｣
…へぇ、そーゆーものかな。
伊野ちゃんはそれだけ言うと、また真剣に問題を見てシャーペンを動かし始めた。
…俺、今まで復習とか全くしてなかったし、今だってなんにも覚えてないから問題も解けそうにないけど…
伊野ちゃんがそういうなら、もうちょっとだけ頑張ってみようかな。
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有｢はぁーっ！やっと終わった〜！！｣
伊｢お疲れ、大ちゃん。｣
隣で肘をついて微笑む伊野ちゃん。
…あ、伊野ちゃん解き終わってる。
現在の時刻は午後七時。
こんな時間まで、待っててくれたんだ…。
有｢…ありがと、伊野ちゃん。｣
伊｢え？｣
有｢伊野ちゃんがいてくれたから、おれ頑張れたんだよ。｣
そう言って笑って見せると、伊野ちゃんは少し驚いた顔をした後、また微笑んでくれた。
伊｢…ねぇ、大ちゃんはさ、｣
シャーペンと消しゴムを筆箱にしまっていると、伊野ちゃんが声を掛けてきた。
有｢んー？｣
伊野ちゃんは、潤んだ瞳でこちらを見ていた。
どこか不安そうなな顔で見つめられて、思わずドキッとしてしまう。
伊｢…彼女とか、いるの？｣
有｢…え？｣
唐突な質問に、時が止まったように体が動かなくなり、思考が停止してしまった。
数秒経ってようやく意味が理解できた。
…彼女…？
彼女、は……
有｢……いない、よ？｣
____いるよ。
…あ、あれ…？
俺、今なんて……
伊｢そっか…！｣
そう言った伊野ちゃんは、それはもう嬉しそうに微笑んだ。
……なんで…なんで…ねぇ、なんで…
＿＿なんで俺、今、咄嗟に嘘なんかついたの……？
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むにこめ(プロフ) - mapiiさん» コメントありがとうございます！面白いなんて、嬉しいです…！もっと楽しんで頂けるように頑張りますね^^* (2017年4月15日 0時) (
レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
mapii(プロフ) - すごく面白いです……！彼女さん……どんまいだ。有岡くんの嘘と、伊野尾くんの秘密がこれからどうなっていくのか、とても楽しみです。続き楽しみにしてます！頑張ってください！ (2017年4月13日 18時) (レス) id: b71e8cca2b (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - 明 日 音。さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです(´；ω；｀)頑張ります！ (2017年4月6日 23時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
明 日 音。(プロフ) - むにこめさんのありいの大好きです！続き応援してます♪ (2017年4月6日 21時) (レス) id: 622c57b769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むにこめ | 作成日時：2017年3月24日 23時
