｢ 有 岡 ｣の名字を貰って下さい。( ar × in )

永遠の幸せ ページ46

ar side .




＿＿この扉の向こう側に、愛しい彼がいる。


…伊野ちゃんのウエディングドレス姿、きっとめちゃくちゃ綺麗なんだろうなぁ…

俺、ちゃんとタキシード似合ってるかな。
髪型もセットして貰ったけど、変じゃないかな。

少し前髪を整えてから、深く深呼吸をした。


有｢…よし｣


ドアをノックし、扉を開けて少し中を覗いた。


有｢伊野ちゃーん…入るよ〜…｣


鏡の前、椅子に座る伊野ちゃんの姿が見える。
俺に気づくと、彼はゆっくりと振り返った。


伊｢…大ちゃん｣

有｢…伊野、ちゃん…｣


純白のウエディングドレスを身につけた伊野ちゃんは、息を呑むほど儚くて美しかった。


有｢…すごい、綺麗…｣

伊｢ふふっ、そお？｣

有｢…っ…き、綺麗すぎ…｣

伊｢え、ちょっと大ちゃん、泣くの早いって…わぁっ！！｣


堪らなくなって伊野ちゃんに抱きついた。

…ほんのりお化粧もしてて、髪も少し巻いてて、本当に女の子みたい。いや、女の子より可愛い。

…夢じゃない。
俺、今日、この子と結婚できるんだ…

そう自覚すると、思わず歓喜余ってしまった。


伊｢…大ちゃんの泣き虫(笑)｣

有｢…うっせぇ。
…伊野ちゃんだって、泣いてるじゃねぇか…｣

伊｢…へへっ、だって…幸せなんだもん…｣


伊野ちゃんの肩が少し震えてて、俺の背中に回された手に力がこもるのが分かる。

少し体を離して伊野ちゃんを見た。
涙目で顔を赤くしいて、どうしようもないくらいドキドキする心臓がうるさい。


…キス、したい。


伊野ちゃんも同じ気持ちなのか、そっと目を閉じた。


……だめだ、もうっ…


伊野ちゃんとの距離があと数センチのところで、彼の露わになっている色白い肩に自分の頭を埋めた。


伊｢…だいちゃん、？｣

有｢…式まで、我慢する｣

伊｢…なんで…？｣

有｢今、二人きりなのに…こんな姿の伊野ちゃんにキスしちゃったら、止められなくなる｣

伊｢っ…ぁっ…｣


伊野ちゃんの首筋に赤い印をつけて唇を離した。


有｢隠さないでね？｣

伊｢ば、ばかぁ…｣


てへっ、なんて笑って見せると、釣られていつものように可愛らしい笑顔を見せてくれた。


…我ながら、独占欲強すぎかな？なんて思ったりして。




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