＊ ページ28
in side .
…なんで
また、誰かと間違えられた？
また、酔って理性が効かなくなった？
…ねぇ、大ちゃん、どうして…？
伊｢だい、ちゃ…｣
有｢…好きだ、伊野ちゃん｣
涙で視界がぼやける中、俺の想い人の真っ直ぐな瞳が俺を見つめていた。今まで見た事がないくらい、真剣な表情で。
伊｢…ぇ…｣
有｢…伊野ちゃんも…俺の事、好きなの…？｣
…俺の答えはもう決まっている。
今言わなきゃ、絶対後悔する。
そんなこともう身に染みて分かったはずだ。
だけど、思うように言葉が出ない。
…なんで俺は、こんなに馬鹿で臆病なんだろう…
有｢…もしかして、山田に気持ちが揺らいでるの？｣
伊｢ほぁ…？｣
大ちゃんが不貞腐れたように目を逸らした。
そして、またチラリと俺を見て言った。
有｢…山田なんかやめなよ。
俺の方が、伊野ちゃんの事ずっと前から見てた。
…ずっと、俺だけを見てよ…｣
胸がトクン、と音を立てて鳴った。
溢れ出る涙が止まる事を知らない。
鼓動が段々と早まってゆく。
…信じられない……大ちゃんが、俺の事を…？
伊｢ほ、ほんとに…？｣
有｢本当だよ。…伊野ちゃんは？俺の事、好き…？｣
伊｢っ…｣
有｢答えて？…伊野ちゃん、｣
大ちゃんの顔がどんどん近づいてくる。
お互いの額がくっついたと同時に、俺は下を向いたまま呟いた。
伊｢…俺、大ちゃんが好きっ…｣
有｢…ふふ、合格｣
そう言うと、大ちゃんは凄く愛おしそうな顔で笑って、俺の頬を優しく撫でてくれた。
伊｢っ…でも、俺、女の子みたいに可愛くないよ…｣
有｢伊野ちゃんは可愛いよ、凄く｣
伊｢…む、胸だってないし、大ちゃんと、ついてるものだって一緒で…色気なんて無いよ…？｣
有｢っもう、ばか。俺が欲 情するのは伊野ちゃんだけだよ。抱きたいと思うのだって、誰よりも可愛い伊野ちゃんだけ｣
伊｢…ｽﾞｯ……へんたい｣
有｢はあ！？彼氏に何言ってんだよ！｣
伊｢ほぇ…｣
耳慣れない言葉が聞こえた気がして顔を上げると、頬が紅く染まった大ちゃんが下から俺を見上げていた。
有｢…俺が彼氏じゃ…ダメなの？｣
伊｢…だめじゃ、ない｣
有｢…ほんと？｣
伊｢大ちゃんが…彼氏がいい…｣
有｢っ…キス、してもいい…？｣
伊｢…うん、して…大ちゃん…｣
.
大ちゃん、大ちゃん、って、
もう何度君の名を呼び続けただろうか。
…やっと、想いが通じたんだね…
有｢…もう、離してなんかやんないから｣
時折目を合わせながら、まるで確かめ合うように、
幾度も唇を重ねた＿＿＿。
.
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むにこめ(プロフ) - みー汰さん» コメントありがとうございます！！ええっ、本当ですか…！？そんな、本当に嬉し過ぎます…感情移入して読んで下さってありがとうございます( ; _ ; ) 自作でもよろしくお願いします！ (2017年3月24日 0時) (
レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
kahoketo0401(プロフ) - むにこめさん» いやいや、最高じゃあらわしきれないくらいです！！はい！待ってます！！ (2017年3月22日 21時) (レス) id: 0f2e983f87 (このIDを非表示/違反報告)
みー汰(プロフ) - むにこめさん» 初コメ失礼します！こんなにいい作品に出会ったのははじめてです！すごく感動しました！涙出てきました…！また、ありいの楽しみにしています！お疲れ様でした！ありがとうございました！ (2017年3月22日 19時) (レス) id: 965becef9f (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - kahoketo0401さん» コメントありがとうございます！！最高だなんて、もったいないお言葉です…(；-；) 次作でもよろしくお願いします！ (2017年3月22日 13時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - 苺猫カフェさん» コメントありがとうございます！！終わり方微妙かなと不安になっていたので、そう言ってもらえて嬉しいです^^* 次作でもよろしくお願いします！ (2017年3月22日 13時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むにこめ | 作成日時：2016年11月18日 22時
