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伊野ちゃんを連れて、数階下の階段の踊り場まで来た。
二人の息遣いが響く中、繋いでいた手がパシッと音を立て、彼によって簡単に離された。
有「!…伊野ちゃん…」
俯いていて表情が見えない彼に、何から伝えればいいのか分からなかった。俺が何も言えずにいると、目の前の彼が口を開いた。
伊「いきなりこんな所連れてきて何なの?
…鈴木さんと、一緒に帰ったんじゃなかったの?」
伊野ちゃんの声が、今までに聞いたことがないくらい低くて、冷たくて…こうさせたのは俺の責任なんだと思い知る。
有「居酒屋で飲んでた。…でも、戻ってきた」
伊「…なんで、」
有「伊野ちゃんに、伝えたい事があって…」
そう言えば、伊野ちゃんの目が大きく見開いた。
そして直ぐに眉間に皺を寄せ、目に涙を浮かべた。
伊「…なに、もしかして鈴木さんと付き合ったってわざわざ報告に来たの?」
有「…は、?」
鈴木さんと付き合う?なんでそんな話になったの?
俺が混乱して何も言えずにいると、更に伊野ちゃんの顔が強ばったと思えば…
伊野ちゃんの瞳から、雫が一粒零れ落ちた。
有「伊野ちゃ…」
伊「…どうせ俺なんか…」
有「え…?」
伊「どうせ俺は男だしっ…大ちゃんは女の子にしか興味ないことなんてずっと前から知ってるよ…!!
大ちゃんのこと好きな女子なんてたくさんいることも知ってる。
…大ちゃんが、心に決めた人がいるなんて…ずっとっ…」
…何、言って…
伊「…大ちゃんはっ…おれのことなんか見てないことくらい、ずっと、しってるからぁっ……」
酷く悲しそうな顔と溢れんばかりの涙。
少しずつ分かっていく君の気持ちに、
胸がどんどん締め付けられる感覚に陥る。
伊「…大ちゃんのこと好きなやつに…気安く、大ちゃんのこと触れさせないでよぉ…!」
有「…いの、ちゃ…」
伊「…嫌だよ大ちゃん…
俺以外の…他の誰かのものになんかならないでっ…
…ずっと、俺のそばにいてっ…」
___その瞬間、
君の本当の気持ちが見えた気がした。
…だから、もう我慢なんて出来なくて、
衝動的に、愛しい君の唇に口付けた。
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むにこめ(プロフ) - みー汰さん» コメントありがとうございます!!ええっ、本当ですか…!?そんな、本当に嬉し過ぎます…感情移入して読んで下さってありがとうございます( ; _ ; ) 自作でもよろしくお願いします! (2017年3月24日 0時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
kahoketo0401(プロフ) - むにこめさん» いやいや、最高じゃあらわしきれないくらいです!!はい!待ってます!! (2017年3月22日 21時) (レス) id: 0f2e983f87 (このIDを非表示/違反報告)
みー汰(プロフ) - むにこめさん» 初コメ失礼します!こんなにいい作品に出会ったのははじめてです!すごく感動しました!涙出てきました…!また、ありいの楽しみにしています!お疲れ様でした!ありがとうございました! (2017年3月22日 19時) (レス) id: 965becef9f (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - kahoketo0401さん» コメントありがとうございます!!最高だなんて、もったいないお言葉です…(;-;) 次作でもよろしくお願いします! (2017年3月22日 13時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - 苺猫カフェさん» コメントありがとうございます!!終わり方微妙かなと不安になっていたので、そう言ってもらえて嬉しいです^^* 次作でもよろしくお願いします! (2017年3月22日 13時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにこめ | 作成日時:2016年11月18日 22時