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ar side .
もう帰ったかもしれない。
まだ山田といるかもしれない。
…もう、俺になんか会いたくないかもしれない。
それでも、この気持ちを伝えないと、前には進めないんだ____
整わない息遣いで会社に着き、エレベーターに乗って階のボタンを押した。
…お願いだ…いてくれ、伊野ちゃん…
エレベーターを降りて、急いで彼の部署へと向かう。
一刻も早く、会いたくて。
でも、角を曲がろうとした所で足が止まった。
心臓がドクンと跳ねるのが分かった。
誰もいない部署で、二人きりで話す、伊野ちゃんと山田の姿。
何を話してるのか分からないけど、二人の距離感からして…何だか嫌な予感がした。
__今では当たり前になった光景。
いつも悔しくて、だけどただ見ていることしかできなかった。
" 大ちゃんてば髪ボサボサ〜 "
" あの時は、本当にごめんね? "
" 大ちゃん見てたら元気でた! "
___もう、逃げたりはしない。
有「伊野ちゃんっ!!」
伊「…へっ…?」
伊野ちゃんの腕を引っ張って、俺の方に引き寄せた。
怪訝そうな顔をする山田を睨みながら。
伊「…大ちゃ……どうして…」
有「…来て、伊野ちゃん」
伊「ちょっ、」
山「何してるんですか、大ちゃん先輩」
伊野ちゃんを無理矢理にでも連れて行こうと腕を引くと、その反対の手に山田の手が伸びた。
伊野ちゃんは、俺達二人から手を取られている状態になった。
有「…伊野ちゃんを離せ」
山「伊野尾さんが嫌がってるので、やめてもらえませんか?」
有「…は?」
伊「ちょ、ちょっと待ってよ…何やってんの…?二人とも…」
戸惑いを隠せないといった表情の伊野ちゃんの腕を更に引き寄せ、体勢を崩した彼の頬に自分の唇を押し当てた。
伊「っ!!?だいちゃっ…!?」
その行為に驚いた山田の腕から、やっと伊野ちゃんを離すことができた。
有「伊野ちゃん!走れっ!!」
伊「えっ!?ちょ、大ちゃんっ…!?」
それから彼の手を握って、俺達は走った。
…そのまま立ち止まってもよかったのに
大声で助けを呼んでもよかったのに
伊野ちゃんはそうしなかった。
ただ、久々の君の手の温もりが、心地よかった。
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むにこめ(プロフ) - みー汰さん» コメントありがとうございます!!ええっ、本当ですか…!?そんな、本当に嬉し過ぎます…感情移入して読んで下さってありがとうございます( ; _ ; ) 自作でもよろしくお願いします! (2017年3月24日 0時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
kahoketo0401(プロフ) - むにこめさん» いやいや、最高じゃあらわしきれないくらいです!!はい!待ってます!! (2017年3月22日 21時) (レス) id: 0f2e983f87 (このIDを非表示/違反報告)
みー汰(プロフ) - むにこめさん» 初コメ失礼します!こんなにいい作品に出会ったのははじめてです!すごく感動しました!涙出てきました…!また、ありいの楽しみにしています!お疲れ様でした!ありがとうございました! (2017年3月22日 19時) (レス) id: 965becef9f (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - kahoketo0401さん» コメントありがとうございます!!最高だなんて、もったいないお言葉です…(;-;) 次作でもよろしくお願いします! (2017年3月22日 13時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - 苺猫カフェさん» コメントありがとうございます!!終わり方微妙かなと不安になっていたので、そう言ってもらえて嬉しいです^^* 次作でもよろしくお願いします! (2017年3月22日 13時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにこめ | 作成日時:2016年11月18日 22時