君なんだ ページ25
in side .
山「…だから言ったじゃないですか。俺にしなって」
伊「ぅっ…っ…」
山「…俺なら、悲しい思いはさせませんよ?」
山田が俺の背中を撫で、優しくそう呟いた。
…自分から関係を壊すような事を言った癖に、まだこんなにも彼を想っている。
嫉妬して泣いてしまう自分が本当に情けない。
情けないのに、涙が止まらなかった。
彼を想って泣いたのは、これで何回目だろうか…
.
山「…落ち着いた?」
伊「…うん」
山田が入れてくれたコーヒーを口に含む。
いつもと変わらないコーヒーなのに、今日は何だか凄く優しい味がする気がした。
伊「山田」
山「はい?」
伊「…ありがとね。山田のお陰で、ちょっと楽になった」
俺がそう言って笑ってみせると、目の前の山田は顔を少し歪ませ、なんだか悔しそうな表情をした。
山「…伊野尾さんは、ずるいです…」
伊「…山田…?」
山「…俺の事好きじゃないのに、俺に抱き着いてきたり…そうやって、笑いかけたりしないで…」
俺は咄嗟に椅子から立ち上がり、立ったままの山田を再び抱きしめた。
…俺は、本当に最低だな
知らないうちに山田を傷つけていた。
俺の事を好きだと言ってくれた山田を…
そして今、もっと酷い事をしている。
ただ山田に同情してこんな事をしている訳ではない。
山田が、俺から離れて欲しくないから…
わざと期待をさせるような事をしている。
…ごめん、ごめん山田。
俺、今弱ってるんだ。
だからお前の言葉が染みるんだ。
お前まで、離れて行って欲しくない…
山「…伊野尾さん…俺の事、好きですか?」
伊「…わかんない」
山「…まだ、大ちゃん先輩が好きなんでしょ?」
伊「…わかん、な…」
山「…俺、大ちゃん先輩の代わりでいいですよ。」
……え?
山「俺の家、来ませんか?」
…いつもなら、「冗談言う暇あったら仕事しろ」なんて言うだろう。だけど、山田の目がいつになく真剣で驚いた。
俺を口説くような事を言っている時も、強気な発言をする時も…彼はいつも微笑んでいたから。
…いつも、余裕そうな顔をしながらも…山田は勇気を出して、本気で言ってくれてたんだな…
伊「…いいよ、連れてってよ、山田」
とことん弱くてズルイ俺。
こんな俺を見たら、大ちゃんは呆れるだろうか。
…なんて、もう彼には俺なんて、関係ないか。
手を差し伸べてくれる山田の手を握ろうとすると、
反対の手に衝撃が走った__。
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むにこめ(プロフ) - みー汰さん» コメントありがとうございます!!ええっ、本当ですか…!?そんな、本当に嬉し過ぎます…感情移入して読んで下さってありがとうございます( ; _ ; ) 自作でもよろしくお願いします! (2017年3月24日 0時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
kahoketo0401(プロフ) - むにこめさん» いやいや、最高じゃあらわしきれないくらいです!!はい!待ってます!! (2017年3月22日 21時) (レス) id: 0f2e983f87 (このIDを非表示/違反報告)
みー汰(プロフ) - むにこめさん» 初コメ失礼します!こんなにいい作品に出会ったのははじめてです!すごく感動しました!涙出てきました…!また、ありいの楽しみにしています!お疲れ様でした!ありがとうございました! (2017年3月22日 19時) (レス) id: 965becef9f (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - kahoketo0401さん» コメントありがとうございます!!最高だなんて、もったいないお言葉です…(;-;) 次作でもよろしくお願いします! (2017年3月22日 13時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - 苺猫カフェさん» コメントありがとうございます!!終わり方微妙かなと不安になっていたので、そう言ってもらえて嬉しいです^^* 次作でもよろしくお願いします! (2017年3月22日 13時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにこめ | 作成日時:2016年11月18日 22時