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ar side .
営業から会社へ戻るのが少し遅くなってしまった。
部署には鈴木さんだけ残っていた。
「有岡くん、よかったらこれから飲みに行かない?」
有「え、と…二人で?」
「うん。…だめ、かな?」
…昔から、女の子に弱いのも変わってないな、俺って。
二人で部署を出ようとした時、隣の部署に明かりがついているのが見えた。
まだ誰か残業してんのかな
特に気に止めずに目を逸らそうとした瞬間、見てしまった。
___伊野ちゃんと山田が、抱き合っている姿を....
…伊野ちゃん…嘘、だよね…?
.
「それでね…って、有岡くん?聞いてる?」
有「…あ、…ごめん!」
「も〜ぼーっとしすぎ、もう酔っちゃった?」
有「ははっ…そうかも」
鈴木さんと居酒屋で飲んでいる。と言っても、何だか今日はそんな気分じゃなくて、さっきからお酒が全然進まない。
…あんなの、見てしまったからだ
伊野ちゃん、なんで…
なんで山田に抱きついていたの?
もしかして、山田が好きになった…?
そう思ったら一気に苦しくなる。
…いつまで経っても伊野ちゃんの事諦めらきれないなんて…バカだな
ぐっとビールを一口飲むと、前に座る鈴木さんが声を発した。
「あ、そうだ!
私も有岡くんのこと、大ちゃんって呼んでもいい?」
" 大ちゃん "
彼がつけてくれて、彼だけが呼ぶあだ名。
__思い浮かぶのは、あの笑顔だった。
「…え、有岡、くん…?
…泣いてるの…?」
__俺は馬鹿だ。
自分から勝手にキスをしたくせに、怖くなった。
「好きな人がいるの?」って質問に臆病になって、不安そうな彼の瞳から逃げた。
何故「君が好きだ」と言えなかったのか。
そんなの痛いくらいに自分自身が分かってる。
ただ彼との関係が壊れることが怖かった。
彼に嫌われるのではないかと思うと、怖かった。
彼から笑顔が消えてしまったら、同じことなのに…
自分の気持ちより大切にしないといけなかったのは、伊野ちゃんの気持ちなのに…
「…大丈夫…?」
有「っ…ごめん」
「え?」
有「俺行かなくちゃ…ほんとごめん!!」
「っえ、待って、有岡くんっ!?」
テーブルにお札を数枚置き、俺は店を出た。
全速力で向かう場所は、もう決まっていた。
俺が伊野ちゃんを傷つけたという事実は変わらない。
だけど…好きなんだよ
伊野ちゃんの事が、誰よりも大好きで、
伊野ちゃんの事を独り占めしたくて、
俺の事だけを見て欲しくて、
…ずっと、二人で笑い合いたいんだ…
今からでも、遅くないかな…?
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むにこめ(プロフ) - みー汰さん» コメントありがとうございます!!ええっ、本当ですか…!?そんな、本当に嬉し過ぎます…感情移入して読んで下さってありがとうございます( ; _ ; ) 自作でもよろしくお願いします! (2017年3月24日 0時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
kahoketo0401(プロフ) - むにこめさん» いやいや、最高じゃあらわしきれないくらいです!!はい!待ってます!! (2017年3月22日 21時) (レス) id: 0f2e983f87 (このIDを非表示/違反報告)
みー汰(プロフ) - むにこめさん» 初コメ失礼します!こんなにいい作品に出会ったのははじめてです!すごく感動しました!涙出てきました…!また、ありいの楽しみにしています!お疲れ様でした!ありがとうございました! (2017年3月22日 19時) (レス) id: 965becef9f (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - kahoketo0401さん» コメントありがとうございます!!最高だなんて、もったいないお言葉です…(;-;) 次作でもよろしくお願いします! (2017年3月22日 13時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - 苺猫カフェさん» コメントありがとうございます!!終わり方微妙かなと不安になっていたので、そう言ってもらえて嬉しいです^^* 次作でもよろしくお願いします! (2017年3月22日 13時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにこめ | 作成日時:2016年11月18日 22時