記憶と現実 ページ17
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目が覚めると、テーブルに頭を伏せる状態でリビングにいた。頭痛と吐き気が同時に襲ってくる。
有「っ…ああ、気持ち悪…」
水を飲みに立ち上がると、パサッと音を立てて背中から落ちたブランケット。
…これ…
ふとテーブルに目をやると、飲み終えた数本のビールの缶が…
有「っ伊野ちゃんは!?」
思い出した。
昨日は伊野ちゃんが俺の家に来て、二人で楽しく飲んで、それで…それで……
…俺、伊野ちゃんに何もしてないよな…!?
昨日は、やましい気持ちを頭の中から全て排除して伊野ちゃんに接していたはず…
昨夜の記憶が思い出されたが、肝心の"その後"が思い出せない。急に冷や汗が出てきた。
…大丈夫だよな。うん。
服は着てるし、変な匂いもしない。
有「…って今何時!?仕事!!!」
慌てて時計を見ると、いつもの電車には充分間に合いそうな時刻だった。
.
有「おはよーございまーす…はぁっ…」
そしてまた今日も遅刻ギリギリ。
息を整えながら自分の部署に向かう途中、いつものように伊野ちゃんへ話しかける。
有「伊野ちゃん!おはよ!」
伊「っ…!…おは、よ…」
…なんだか、いつもと様子が違う…?
もしかして伊野ちゃんも二日酔いかな?
なんて呑気に考えながら続ける。
有「昨日はごめんね、先寝ちゃったみたいで、絶対迷惑かけたよね?」
伊「…いや……っはい、鍵」
有「あ、閉めといてくれてありがと!玄関に鍵置いといてよかった〜」
伊「…大ちゃん…」
有「ん?」
伊「…覚えて、ないの…?」
有「…え…?」
何のことか分からず声を出せずにいると、伊野ちゃんは慌てた様子で口元を両手で抑えた。
そして方向転換をして逃げるように俺から離れて行く。
有「えっ…ちょ、待って!!…俺、もしかして伊野ちゃんに何かっ…」
伊「っ何も、ないから…!」
有「じゃあ何で、」
伊「ごめん俺、仕事の続きしないとっ…」
有「伊野ちゃっ…!」
伊「!、山田…」
…まただ。またかよ。
何でいつもお前が間に入って来るんだよ。
山「…伊野尾さん、どうしたんですか?
課長が呼んでましたよ」
伊「あ…今行く…」
伊野ちゃんは俺に背を向け小走りで行ってしまって、俺と山田の間に沈黙が走る。
山田は目を鋭くして俺を見た。
山「…伊野尾さんを傷つけたら、許しませんから」
…きず、つける…?
山田は知ってるの?伊野ちゃんの気持ちが分かるの?
俺は、好きな人を傷つけてしまったの…?
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むにこめ(プロフ) - みー汰さん» コメントありがとうございます!!ええっ、本当ですか…!?そんな、本当に嬉し過ぎます…感情移入して読んで下さってありがとうございます( ; _ ; ) 自作でもよろしくお願いします! (2017年3月24日 0時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
kahoketo0401(プロフ) - むにこめさん» いやいや、最高じゃあらわしきれないくらいです!!はい!待ってます!! (2017年3月22日 21時) (レス) id: 0f2e983f87 (このIDを非表示/違反報告)
みー汰(プロフ) - むにこめさん» 初コメ失礼します!こんなにいい作品に出会ったのははじめてです!すごく感動しました!涙出てきました…!また、ありいの楽しみにしています!お疲れ様でした!ありがとうございました! (2017年3月22日 19時) (レス) id: 965becef9f (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - kahoketo0401さん» コメントありがとうございます!!最高だなんて、もったいないお言葉です…(;-;) 次作でもよろしくお願いします! (2017年3月22日 13時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - 苺猫カフェさん» コメントありがとうございます!!終わり方微妙かなと不安になっていたので、そう言ってもらえて嬉しいです^^* 次作でもよろしくお願いします! (2017年3月22日 13時) (レス) id: f1d41cd502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにこめ | 作成日時:2016年11月18日 22時