私と東大王の日常2

コックローチ・パニック3 ページ17

「颯、見張りありが…」

「姉ちゃぁん……。遅いよぉ…！怖かった…」

…え？颯泣きそうになってるんですけど。

「でも見張りはしてくれたんでしょ？」

「うん…。姉ちゃんが頑張れって言ってくれたから頑張れた…」

「よしよし、颯偉い偉い」

こんなに弱々しい颯が颯の中にいるとは夢にも思ってなくて、とりあえず頭なでなでした。

「じゃあ、ゴキちゃん外に出すから、颯は安全な所に逃げときな？」

「うん、そうする…」

自分の部屋に一目散に避難していった颯。お前はよくやった！





さぁ〜て、ここからだ。

「こっからが腕の見せどころね…」

１、ゴキを解放、

２、すぐさま取ってきたビニール袋に入れる、

３、口を手でしっかり塞ぐ、

４、外に出す、

５、すぐ窓を閉める。


ふぅ、と一息つくと未だに情けなく失神して横たわる拓司を見た。

「情けねぇなぁ、我が家の長男は。…いい加減起きろやぁ！」

ちょっと腹が立ったので背中を勢いよく蹴った。

「ぐふっ！…芽衣？」

「おい、虫失神野郎。弟に全て終わったって伝えてこい」

「はぁい…」


…虫担当は永遠に私だな。






コックローチ・パニック
fin

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