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87 本音なんて ページ12
名前を見るなり、さっきよりも涙が溢れてきて。
電話に出られないじゃん。
泣いてるの、聞こえちゃう。
こんな状態じゃ、話せないよ…
A「…はぁ…っ…ふ、ぅ……っ」
私は、できるだけ息を整えて通話のボタンを押した。
A「…もし、もし…」
ー和「あの、さっき電話掛けられましたよね？どなたですか？」
そっか。
ニノは、私の電話番号を知らないんだっけ。
私が困っていると、彼は分かったみたい。
ー和「もしかして、Aなの……？」
そう言った。
ー和「どうした？」
そして私に問いかけた。
A「い、や……っ、…そのっ……」
どうした、って聞かれても…
あなたの声が聞きたかった
本音なんて、言える訳なくて。
A「間違えて、かけちゃって……ごめんなさい、っもう切りますね…？」
私は必死にごまかした。
そしたら
ー和「待って。今、家にいるの？」
A「ぁ……はい、ぃますっ…けど…」
なんでそんなこと聞くんだろう？
そう思った途端、彼は言った。
ー和「今から行くわ」
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作者名：神城りお | 作成日時：2015年8月27日 15時
