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「猪突猛進、猪突猛進!」

「危ない!」


炭治郎の声が響いた瞬間に、前を歩いていた甘露寺はAの自分の方へ引き寄せ、伊之助は減速してどうにか廊下に半分ほど出たところで踏みとどまった。


衝突することはなかったが、何より危惧すべきなのは、彼等と出会ってしまったことだ。甘露寺は焦りから顔を赤くしたり青くしたりし、Aの安否を確認する。その瞳は既にうるみ始めていた。


「Aちゃん!大丈夫!?」

「す、すみません!俺がしっかり見ていなかったから…」


炭治郎が本当に申し訳なさそうに謝まる。伊之助は出た先に人がいると思わなかったので、驚いていた。


「伊之助も謝るんだ!」

「そうだぞ、伊之助!甘露寺さんやAさんに怪我があったらどうするんだ!?」


炭治郎に続き善逸もそう伊之助に叫びながら、女性二人に「大丈夫ですか?」と笑顔で話しかけた。伊之助は二人から矢継ぎ早にそう言われたことで、一拍遅れながらも謝る。


「ゴメンナサイ…」


しおらしいその態度に、甘露寺は胸をときめかせながらも、腕の中の友人の様子を伺う。幸いAも焦りながらも、その体に怪我はなかった。


「だ、大丈夫。でもこれからは気をつけてね!」

「私も大丈夫よ!元気がいいのは良いことだけど、室内ではもう少し落ち着いたほうがいいかな」


Aと甘露寺は続けてそうやんわりと注意し、直ぐにその場を立ち去ろうとするが、そんな二人の行先に炭治郎が先回る。


「本当にすみません!」

「大丈夫だよ。ごめん、急いでるから通してもらってもいい?」

「駄目です!俺に責任を取らせてください!」


そう言って、炭治郎はがっしりとAの左手を両手で掴んだ。そして、Aが予想できていて、何よりも聞きたくなかった類の言葉を口にした。


「責任取って幸せにします!Aさんのこと!」

「は、はあ!?炭治郎何言っちゃってるわけ!?」


善逸が友人のその言葉に驚くべき速度で反応し、炭治郎と同じように甘露寺とAの前に回った。そして、炭治郎の肩を掴み前後に激しく揺らす。

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もみじ - めちゃめちゃ面白かったです!! (2022年8月1日 19時) (レス) @page30 id: 32f65dbc25 (このIDを非表示/違反報告)
ハッシュタグ(プロフ) - ななしさん» お読みいただきありがとうございます。今でも反応をいただいており、私としてもお気に入りの作品ですので、そう言っていただけて嬉しい限りです。もしまた機会があれば、読んでいただけましたら幸いです。 (2022年4月9日 0時) (レス) id: bcf3124c84 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 面白くて一気読みしました!語彙力が凄くて羨ましいです...!シチュエーションも神でした!これからも応援しています!! (2022年4月2日 17時) (レス) id: 05cc864757 (このIDを非表示/違反報告)
ハッシュタグ(プロフ) - 水城舞梨亜さん» 喜んでいただけて良かったです!リクエスト本当にありがとうございました…! (2020年10月22日 11時) (レス) id: bcf3124c84 (このIDを非表示/違反報告)
水城舞梨亜(プロフ) - いいいい伊黒さんかっこいい!!!です!\(^o^)/伊黒さんは、私の推しなんですが、こんなにかっこよく書いていただけて嬉しいです!!(*´ω`*)後、夢主ちゃんがかわそう…でもなんかすごいです!(語彙力)感情が無いようであって。凄く、本人にあってると思います! (2020年10月22日 8時) (レス) id: 0e4689ecab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハッシュタグ | 作成日時:2019年11月30日 19時

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