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9 不死川実弥 ページ10

「おわ……」

甘味処に入った瞬間、中にいた客の一人に気づき声が漏れ出した。今まではこんなこと無かったのに、異様に鬼殺隊員に会うなとは思ってた。特に柱。だが、この人とだけは出来る事なら会いたくなかった…。

「テメェ…」

相手も私に気づき、小さく声を出す。悲鳴が漏れ出すのを必死に抑え、私は鬼殺隊一恐れられている風柱、不死川実弥様を見る。

「ま、間違えました」

やっぱり無理。進路を変え店を出ようとしたら、肩をいきなり掴まれる。

「ひいっ!」
「おい、テメェ。間違えたってなんだァ?」

速い!!!あまりにも速い!いつの間に席からここまで来たの!?

怒りを押えた声でそんなことを言われたら、もう素直に従うしかない。私は堪忍して席に戻る不死川様の後ろへ続いた。

「あ、あの、その、この間は大変申し訳ございませんでした!そして助けていただきありがとうございました!」

席に着いた瞬間勢いよく頭を下げる。謝罪は先手必勝だ。

「テメェ、やっぱりこの間俺に刀を向けてきやがったガキだったんだな」

たった一度だけ見た、柱の闘い。それは風柱によるものだった。その時私は助けられたにも関わらず、自分の手柄が取られたことに憤怒して、刀をこの人に向けた。まあ瞬殺されたけども。

「何でまだ鬼殺隊やってんだァ?テメェみたいな才能の無いガキは辞めちまえって言ったよな」
「や、辞めません!」
「あァ?」

睨みつけられてすごい怖いが、ここで引くわけにはいかない。

「わ、私は才能がありません!分かってます!だから、無惨を倒すのは諦めました!それでも誰かの命を救いたいから、鬼狩りはやめません!」

そう言えば、不死川様は物凄い形相になる。火に油を注いでしまったようだ。

「それを諦められるっつうのに、何で辞めねえんだ」
「だ、だから人の命を救いたくて…」
「この仕事じゃなくても別にいいだろォ」

確かに正論だ。命を救いたいだけならお医者様でもいいのだから。

「とにかく私は鬼殺隊を辞めません!」

そう言い切って顔を伏せる。どう考えてもまた油を注いでしまっただろう。反応を見るのが恐ろしくてしょうがない。

「何なんだ、テメェらはよ」

『ら』?

私だけじゃなくて、他の誰かにも同じことを言ったのだろうか。

それだけ言うと不死川様は、どっか行けと言ったので私はそれに従い店を出た。自分で呼び寄せたのに…。

しかし何で一介の隊員にあんなことを言ってきたんだろう?




(前身傷まみれの青年との遭遇)

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ハッシュタグ(プロフ) - ロトさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけ本当に嬉しいです。そして、応援いただきありがとうございます。次回作も、ご期待に添えるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします! (2019年11月14日 6時) (レス) id: 9cd03d1863 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - 続きです。次回作も勝手ながら毎日読ませていただきます!どちらも今からすごく楽しみです!!無理をしないよう頑張ってください!長々と失礼しました! (2019年11月14日 1時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - コメント失礼します。完結おめでとうございます!この小説を一日の終わりに読むと何だか心が暖かくなってホワホワして大好きでした!!実は完結の文字を見た時、少し寂しかったので次回作の予告を見て安心しちゃいました!長くなったので続きます。 (2019年11月14日 1時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハッシュタグ | 作成日時:2019年10月18日 18時

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