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2 冨岡義勇 ページ3

「………」

信じられるだろうか?たまたま入った定食屋で、昼時だったため相席を頼まれ、承諾したら座った人がたまたま柱の一人だったなんて。

正直こんな偶然いらない!!緊張で、やっと届いた昼ご飯が喉を通らないんだけど……。

そんな私の死にそうなほどの緊張など、どこ吹く風と涼しげな顔で鮭大根定食を食べているのは水柱の冨岡義勇様。私が目指していた水柱という席に収まるその人は、美味しいんだから美味しくないんだからよくわからない表情で淡々と箸を動かしている。

とても、とても気まずい。

話しかけた方がいいのか、そうしない方がいいのか。判断もつかず取り敢えず口をつぐみ、黙々と料理を頬張る。最早詰め込む、に近いかもしれない。

「鬼殺隊士か?」

唐突な質問に一瞬反応が遅れる。

「は、はい!」
「そうか」

……え?それだけ?

無惨を倒すという野望は捨てたものの、鬼を滅することは諦めてはいない。この、柱に会うという貴重な機会で少しでも何か吸収しておきたい。

「……あの、冨岡様」
「なんだ?」
「冨岡様は普段どのような鍛錬をなされているのでしょうか?」

同じ人間とは思えない強さを持つ人に一度聞いてみたかったことだ。心のメモ帳を開き答えを待つ。

「教えて何になる?」

は?

危ない、うっかり心の声が出てしまうところだった。しかしとんでもない返答だ。これは秘密の鍛錬を教えたくない、ということなんだろうか。それとも私なんぞ一介の隊士には到底出来やしない鍛錬を行っているということなんだろうか。

どちらにしたって言い方ってものがあるだろう。

そう思ったが、尊敬する人を軽蔑したくない一心で思考を続ける。逆だ、逆に考えるんだ。もっといい方向に解釈するんだ……!!

「……それは、体格も性別も異なるため、冨岡様の鍛錬を私が真似しても意味が無いということでしょうか」
「そうだ」

合ってた!てかこの人普通にいい人だ!!

失念していたが、確かに言う通りだ。体格や性別が違ければ、行わなければならない鍛錬も異なるし、無理して合わない鍛錬をすれば体を壊してしまう。それを気にしての言葉だったのだ。

「失礼する」

いつの間に完食していたのだろう。冨岡様は既に席を立ち、会計場へと進んでいた。

「あ、あの!ありがとうございました!」
「精進することだ」

ぶっきらぼうな物言いの裏には、優しさが隠れていたのだと思いながら店を出ていくその人を見送った。




(言葉足らずな青年との遭遇)

3 煉獄杏寿郎→←1 我妻善逸



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ハッシュタグ(プロフ) - ロトさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけ本当に嬉しいです。そして、応援いただきありがとうございます。次回作も、ご期待に添えるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします! (2019年11月14日 6時) (レス) id: 9cd03d1863 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - 続きです。次回作も勝手ながら毎日読ませていただきます!どちらも今からすごく楽しみです!!無理をしないよう頑張ってください!長々と失礼しました! (2019年11月14日 1時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - コメント失礼します。完結おめでとうございます!この小説を一日の終わりに読むと何だか心が暖かくなってホワホワして大好きでした!!実は完結の文字を見た時、少し寂しかったので次回作の予告を見て安心しちゃいました!長くなったので続きます。 (2019年11月14日 1時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハッシュタグ | 作成日時:2019年10月18日 18時

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