23歳 ページ7
「暫く跡が残るかもしれないな」
私の頬を見ながらスコッチさんは呟く。ライさんは私を見て、鼻で笑う。
「女じゃなくて良かったな」
いやいや、女だよ!?!?
生物学的性別は男だけど!?今はの話だからね!絶対女に戻ってやるんだから。
「お前が女なら可愛いげがあったのにな」
失礼な!男じゃ不満か!?
スコッチさんは私の頬に白い湿布を貼ってくれた。
「できた。」
「ありがとうございます」
私は湿布を貼った頬を撫でる。こんな所怪我したの初めてだよ。
「スコッチ帰るぞ」
ライさんとバーボンさんはスコッチさんと私を置いて部屋から出ていった。何しに来たんだ??スコッチさんは私に微笑んだあと、二人を追いかけていった。
今日は風見先輩と会食だっけ??
私は白い携帯を開いて風見先輩からのメールを確認する。
フレンチのレストラン
風見先輩は私のために個室を予約してくれたようだ。先にレストランの個室に入って風見先輩が来るのを待っていた。
数分待っていると風見先輩が入室してきた。
私の頬を見た瞬間、顔を少し歪めた。
「その頬はどうした」
「ジンさんですよ。リボルバーで殴られたんです。撃たれるよりはマシですよ」
風見先輩は申し訳なさそうな顔を向ける。
「そんな顔しないでください。私が化学警察研究員になったのは風見先輩を援護するためですよ??今の仕事は研究員の時よりも先輩の役に立てるんです!」
そんな事を言えば、風見先輩は柔らかい笑みを浮かべる。
「研究室の主任は君のために解毒薬を研究してくれている」
風見先輩が着席すると、一品目の前菜が配膳された。風見先輩はフォークとナイフを器用に使い、料理を口に運ぶ。
「ジンの様子はどうだ?」
「暫くは任務が無いようですよ。全部私に回ってきます」
風見先輩は苦笑いを浮かべる。
「あ..風見先輩、これ、こっそり聞いた話なんですけど..」
まだ確かではない話なのだが、これはベルモットさんとジンさんが話していた話。
「スコッチさんがNOCの疑いがあると..」
風見先輩は顔を歪めた。この表情は確かなのだろう。スコッチさんはNOC、近いうちに組織に排除される。
「まだ信憑性は低い話ですけど」
風見先輩は手を顎に寄せ、何かを考えている。もしかしたら風見先輩の同僚とか..?
「A、すまないが、スコッチの暗殺をどうにか阻止してくれないか?」
「ええ!?私は組織の末端なんですよ!?」
「頼んだ」
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作者名:純情調教師 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nomuharu262/
作成日時:2020年6月16日 0時