28歳 ページ21
「ダメですよ。そんな怪我で何言ってるんですか」
「じゃあ実家!私、病院怖いから嫌なの!」
なんて理由だと思われるかもしれない。現に降谷さんは私を見て、呆れている。
「じゃあお知り合いの方をお呼びしてくださってかまいませんから!入院していてください。」
私は風見先輩の方をキラキラした目で見つめる。
「お、俺か...!?」
「風見先輩、私の隣あいてますよ!」
ガタガタガタ
ドタドタドタ
何かがこちらに向かって走ってくる音が聞こえる。
ガラララ
「お、お姉ちゃん!!」
降谷さんはすっと隣のベッドに潜り込み隠れた。
あ...そっか。隠さないと任務遂行できないもんね。
走って入ってきたのは妹の蘭。一人で来たようだ。
「蘭、元気だった?」
手を広げると蘭が抱き締めてくる。蘭は見ない間に大きくなっている。
「お姉ちゃん、全然連絡入れてくれないんだから!」
確かに...ちょっと忘れてた所があるね。
私、ずっとジンさんに振り回されていたから連絡する余裕が無かったな。
「あれ?この人は?」
「この人は私がビルから滑り落ちて動けなくなっていたのを助けてくれたんだよ」
蘭には嘘をついちゃうけど...許してね。
「お姉ちゃんを助けていただいてありがとうございます!」
「いや..いえいえ。」
風見先輩戸惑ってるね。
「蘭、お隣の方が今、爆睡中だからもう少し静かにね。」
「あ、すみません」
隣の人は寝ているにも関わらず蘭は律儀に謝る。本当にいい子に育ったなぁ!!お姉ちゃん感動だよ!
「蘭、お姉ちゃんね、この人とお話があるからまた日を改めて来てくれるかな?今度はお父さんとお母さんも連れてね!」
「うん!明日ね来るよ」
蘭は大人しく帰っていった。
蘭が出ていったのを確認すると降谷さんはベッドから出る。
「あ〜ぁ。カッコよくスーツを着こなしていたのにヨレヨレになっちゃったね...」
降谷さんのスーツをはたいてビシッとさせる。私のこの行為が嫌だったのか少し顔を歪ませる。
「すまない...」
「いーえ!」
風見先輩と降谷さんは少しして帰っていった。
降谷さんって本来はあんな感じで話す人だったんだなとなぜか私は感心していた。
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作者名:純情調教師 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nomuharu262/
作成日時:2020年6月16日 0時