28歳 side風見 ページ19
プルルルルプルルルル
警視庁の俺のデスクの携帯がけたたましく鳴り響いた。
「おい、風見。携帯はマナーモードにしておけ。」
たまたま警視庁にいた降谷さんに俺は注意を受ける。
「すみません」
携帯を開くと電話の相手は毛利A。
こいつは電話をかけてくるようなやつだっただろうかと珍しい毛利の行動に疑問を持つ。
「もしもし、風見だが。」
『か、風見先輩..?』
電話の先の声は久しぶりに聞く女の声。彼女の声はとても弱りきっている。
「ど、どうした!!何があった!!」
『た、助けて...⚪⚪区の⚪⚪川高架下
...に、いるの...』
毛利のいるところまで車で10分。辿り着けるか。
「どうした風見」
「降谷さん、俺のエスが..」
『バー..ボン..さん?』
「毛利、その話は後だ。今すぐ行く。」
電話を繋げたまま降谷さんに状況を説明する。
「組織に潜入させていた俺のエスが負傷しているようなので迎えに行きます」
「僕が運転しよう」
降谷さんは怖い表情で俺を見る。組織にエスを潜入させてたことは報告しているんだがな。
俺はもしかして怒られるのか??
降谷さんは警視庁の駐車場からRX-7を発進させ、毛利のいる所までとばしてくれた。
降谷さんのお陰で10分の所が3分で到着した。
俺は我を忘れて車を飛び出し、彼女の元へ駆け寄った。
彼女の頬は殴られたのか紫色に変色しており、腹は血まみれ、足首からも血が流れていた。
「A!!しっかりしろ!」
後から駆けつけた降谷さんは彼女を見て、あまりの傷の酷さに驚愕していた。
「先輩..」
彼女は俺を見るとポロポロと涙を流した。
降谷さんは彼女が見える所まで近づき、
「頑張ったな」
と囁いた。彼女は驚いた表情を見せて気を失った。
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作者名:純情調教師 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nomuharu262/
作成日時:2020年6月16日 0時