28歳 ページ18
次に気がついたときは外は真っ暗だった。窓から外を眺めてみると月が此方を向いていた。私は何とか体を起こす。あまりの苦しさに痛みすら感じない。ベッドのシーツを破り、何とか止血する。
私、生きてるんだな...
もう一度外を確認する。ここは2階。飛び降りられるか?ここはまだ組織の研究所。正々堂々と扉から出れば私が生きていることがバレる。
簡単な止血を済ませると私は一か八かで飛び降りた。ジンさんに撃たれた方の足から嫌な音が聞こえた。
「〜〜」
声にならない声をあげる。動かない足を引きずって、研究所から離れる。このとき私はここから離れる事しか考えられなかった。
河川敷の高架下の暗闇で何とか身を潜める。今は何時だろう。白い携帯を取り出すと時間は夜の七時。まだそんな時間かと体を落ち着かせる。
そして、ふと、私は川に写る自分の姿を確認した。
そこには久しぶりに見る。本来の私の姿が写っていた。
これは夢...??
なぜ元に戻れたのか分からないが、このとき私は逃げるためのやる気が湧いてきた。風見先輩のところに帰ろう。そう思った。
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作者名:純情調教師 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nomuharu262/
作成日時:2020年6月16日 0時