25歳 ページ13
「あら、ボウヤ。久しぶりね」
私はずっとジンさんと任務だったものだからベルモットさんに会うのは久しぶりだ。
それより、ボウヤって言われるような年齢じゃないんだけどね。
「お久しぶりです!ベルモットさん!」
ベルモットさんはにこりと私に微笑むと私のシャツを掴み、自分の近くまで引き寄せる。
「これからショッピングに行くのだけれど荷物係を頼んでいいかしら?」
「はい!!大丈夫ですよ!」
「ふふ、ありがとう」
荷物係なんていつぶりだろう。最近はジンさんのマッサージや銃の手入れなんかさせられて、下手くそだって殴られてばかりだったのに。
「あなた、傷が増えたわね...」
ベルモットさんは私の腕や顔にできた傷を見て呟く。確かに、日に日にジンさんの行為はエスカレートしている気がする。
「可哀想に...私の所へ来ない?」
ベルモットさんの元かぁ。でも今は風見先輩がジンさんの情報を求めているからなぁ。
「大丈夫です!ご心配ありがとうございます!ジンさん、ああ見えて優しいんですよ?」
危ないときは助けてくれたり、撫でてくれたり?する。
今はそうしてプラス思考でいることが最善策だ。私は車の運転席に座り、ベルモットさんは助手席に座る。
なんやかんや、ベルモットさんのお隣に座らせていただくのは初めてなんだよね。車を発進させ、ベルモットさん行きつけの宝石店やブティックを回った。
「ベルモットさん、ファッションセンス良すぎて俺、感動しちゃいましたよ!」
「あら、私、こう見えて大女優なの覚えてる?」
「あ!...」
思いっきり忘れていた。そういえば、この方、クリス・ヴィンヤードだったな。
私の顔を見て、ベルモットさんはクスッと笑う。羨ましいほど綺麗な顔。
「あなたは本心から私を褒めてくれるのね」
え...?
「あなたの言葉にお世辞が無いのよ。あなたはバカ正直というかね」
なんか褒められているのか?喜べばいいのか??
「褒めているのよ。きっとジンもあなたの言葉がくすぐったいのでしょうね」
何を言っているのかわからないが、どうやらジンさんは私の言葉がくすぐったいらしい。
ベルモットさんが言ったこの言葉の意味は一週間経っても分かることはなかった。
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作者名:純情調教師 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nomuharu262/
作成日時:2020年6月16日 0時