虻蜂取らず【大ガマ】(再) [完結]

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俺にはよ、大琳っていう妹がいたんだ。そりゃもう、俺にそっくりでよ！お洒落が好きなやつだったんだぜ？いっつも、俺の事を「ガマ兄」って呼んでたもんだ。


「ガマ兄！今日は、一緒にお出かけするって約束したじゃん！」


「わりぃ、わりぃ！忘れてたぜ！」


まあ、暇なときとか、天気いい日はよく出掛けてたな。


「大ガマ〜？部下さんが家に来てるよー。お茶出したから、速くお相手してやってよ？」


それによ、部下の世話が良くできるやつで、誰にでも好かれていた。


「大ガマよ。今日、御主の妹が我が部下の買い出し荷物を持ってくれたようでな。礼を言っといてくれ。」


「お？大琳が土蜘蛛んとこの部下を？あり得ねえなぁ。」


でもよ、やっぱどんなにいいやつでも嫌いなやつぐらいいるもんでよ。


「土蜘蛛さんから？お礼なんていらないよ。嬉しくない。」


「まぁまぁ、そういうこというなって！(笑)土蜘蛛の野郎でも、感謝できるっつーことだよ(笑)」


アイツの嫌いなやつといったら、悪いやつ。仲間を傷付けるやつだった。けどよ、そんなやつらを通り越して土蜘蛛のことは大嫌いだったみてーでよ。


「大ガマ、丁度良いところに！今度、元祖本陣で集まりがあるのだが、大琳と一緒に来ないか？」


まぁ、ここからかな？俺と大琳の生活を、人生の行方を狂わせたのは。

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