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「はい、あがって」
ガチャりと開けられた扉の向こうには一人暮らしにしては少し広い部屋が広がっていた。
お邪魔します、と靴を脱いで足を進めながら辺りを見渡すと必要最低限に揃えられた家具とテーブルに置かれた数冊の本が目に入った。
『お前本とか読むんだな』
「空き時間にしか読まないけどね。よくハイセから借りて読んでるんだ」
『ハイセ…？』
「うん。クインクス班の
スーツのジャケットを脱ぎながら有馬は少し頬を緩めてそういった。
『…そんなにお気に入りなのか、ソイツ』
「さぁ？どうだろう。…でも扱いやすい子だよ」
そんな顔をして言う有馬を見て少し胸が痛む。今まで感じたことの無い感情に頭が冷静さを取り戻そうと必死に活動しだす。
…なんなんだよ、ほんと。
リビングに置かれていたソファに腰掛けため息を吐いた。
『はぁ、CCGなんてまともなモンじゃねぇな』
「それを特等の前で言えるのはAくらいだよ」
褒めているのか貶しているのか分からない有馬の返事に心の中で舌打ちしながら珈琲が飲みたいと口に出すと短く返事をして有馬はキッチンへと向かった。
暫くすると珈琲特有のコクのある香りが香ってくる。
「はい、どうぞ」
かたり、とテーブルに置かれたカップを受け取り口をつけると珈琲の香りが口腔内を支配した。
『…美味しい』
「それは良かった」
普段ならブラックで飲んでも苦く感じない珈琲だが今回の珈琲は何故か少しだけ苦く感じた。
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なゆゆん - 続きが気になります！夢主がめっちゃ好きです！更新頑張ってください！！ (2023年1月1日 10時) (
レス) @page31 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
狂狐(プロフ) - 更新楽しみにしてます！文才も素晴らしいと思いますし憧れです！…イチコメGET！ (2019年9月29日 19時) (レス) id: 8ba41bb7e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨宮 | 作成日時：2019年7月14日 9時
