涙の代わりに笑顔を送ろう 「FK」

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『彼奴』が血を吐いて倒れた。


そうマネージャーから突然聞いた。


健康が取り柄のような『彼奴』が、血を吐いた? 倒れた?


最初、『彼奴』を除いたメンバーは皆、タチの悪い冗談だと思った。


だって俺たちは、昨日だっていつものように雑誌の撮影をして珍しく『彼奴』から、メンバー全員で一緒に飲もう。だなんてお誘いを受けた。


珍しく『彼奴』から飲みの誘いがあった…?


他人や自身の体調の変化に人一倍敏感な『彼奴』のことだ。


自分で気づいていても、可笑しくはない。


だとしたら何故、『彼奴』はそれを打ち明けなかった?


病気か否かわからなかったにしても、『最近体調が優れないんだよね』とか、それくらいは言ってくれても…。


メンバー全員に言えなくても構わない。せめて、恋人の俺や信頼出来るメンバー、頼りになるマネージャーの誰か一人にでも伝えてくれれば…。



「どこに運ばれたの!?」


「○○病院です。お見舞いに行かれますか?」


「もちろん」









＿＿＿＿なんて出来事があったのが、今からちょうど三ヶ月前。

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