偽りの中の真実｢FK｣｢shrn｣ (ページ5)

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｢へ…? い、嫌なんかやないです!｣

俺の言葉に、ショウさんは元から大きい目をさらに見開いた。

…嫌なんかやない、むしろ、嬉しい。

やけど…ショウさんは俺に、手馴れた感じでこのメルアドを渡した。

それって…色んな人に、渡し馴れとるってことやろ?

こんなん、ホストの人に言うたらあかんけど…そーやって、メルアド渡すんは俺だけにして欲しい…。

あれ…俺なんでこないなこと思うとるん…?

｢レンくん…? 飲み過ぎちゃった? 具合悪いなら、今日はもうお帰りになった方が…｣

｢え? あ、大丈夫です!｣

俺が考え事しとったら、ガヤさん? っていうイケメンさんが俺にそう言うてきた。

…? ガヤさんが話しかけてきたとき、ヒロさんの顔が怖かったんやけど…なんでやろ。

｢な〜んだよ、ガヤ。お前、レンには随分優しいじゃん。オキニにでもなっちゃったわけ?｣

そう言ってヒロさんは自嘲気味に笑っとった。

…ヒロさん、そないな顔でも笑うんや…。

辛いんやったら笑わん方が楽なんに…。

｢オキニ、って…。お客様の体調を考慮するのは当たり前だよ? ヒロ｣

｢んー、そ。あ、俺明日からお前の髪やれないから｣

｢え! なんで!｣

｢明日から1週間、Feuerの支店に応援に行くんだよ｣

｢ヒロじゃなくてもいいじゃん。ヒロは俺専属の…｣

｢何勘違いしてんだよ。俺別に、お前の専属美容師じゃねぇぞ? これを機に、ヨコオさんとかにもやってもらえって｣

｢…ヒロはそれでいいの?｣

｢ん? おう｣

ヒロさんの言葉にガヤさんは顔を曇らせた。

…この二人の間の空気だけ、氷点下になったみたいなんやけど…。