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アンコール、ダブルアンコールと無事に終わり
会場はあたたかな歓声と拍手に包まれた
坂巻さんはさっき仕事の関係で行ってしまい
関係者席にひとり残されたわたし
寂しいなあ…なんて、
思ってたそのとき
「「丸ちゃん!丸ちゃん!」」
会場のあちこちから、丸ちゃんコールが起きた
え、まって
今日って丸ちゃんなんかあったっけ
誕生日はまだまだ先
特に発表するようなことは無いはず
と、また照明が落ち、
バクステに丸ちゃんが出てきた
丸「残ってくれたみなさん、ありがとうございます」
丸「いまから僕は一人の男として、一人の女性に想いを伝えたいと思います」
丸ちゃんはステージから飛び降りると
スタッフさんの誘導で客席の狭い通路を通り
ファンの子達がその近さに歓声をあげる中
微笑みながらわたしの前で止まった
丸「Aちゃん、立って?」
まるで新婦さんをエスコートする時みたいに
丸ちゃんの手がわたしを支える
会場のモニターにめっちゃ大きく映っちゃってる
みんなこっち見てるし…
恥ずかしい……っ
丸「Aちゃん、余計なこと考えんといて」
『だって…』
丸「いまから言う事、ちゃんと聞いとって」
丸ちゃんの真剣な瞳に
頷くことしかできなかった
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作者名:りゅこ | 作成日時:2017年10月5日 23時