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ピピ ッ
『38.7度……』
あの後、まるちゃんは倒れた
この雨の中歩いて帰って来たから風邪引いたみたい
『タクシー拾えば良かったのに、』
渋「ふぁああ…A〜、お茶入れてくれへん?」
『え、あ、すばるくん…』
渋「そこ、誰かいるん?」
すばるくんは冷えピタ貼ったまるちゃんを見て
「ほんまこいつアホやな」って呟いた
『すばるくん、いろいろごめんね』
渋「なんで謝るん」
『あの時、すばるくんが有紀さんに言った言葉は、わたし自身にも言われてるみたいだった』
わたしは、
どれだけまるちゃんが苦しんでて
どれだけ有紀さんのことを好きで
どれだけ辛い思いで別れを告げたのか
全く知らずに彼から逃げてた
そんな自分が、許せなかった
『だけど、すばるくんのこと怒らせちゃったし、世間にも広まっちゃったし、わたしすばるくんに迷惑しかかけてない』
渋「……A」
『すばるくんだけじゃない。みんなにも迷惑ばっかかけて、まるちゃんにもきっと嫌われ…』
渋「お前アホか」
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作者名:りゅこ | 作成日時:2017年10月5日 23時