ひとつ、屋根のしたで。 (ページ22)

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side 隆平

あのロケでAちゃんを見かけて以来

彼女との会話はなくなった

というか、避けられてる気がすんねんな…

渋やんとかに聞いても

「それはお前に問題があるんちゃう？」って言われて

もう、まるちゃん泣きそうやねんけど

村「マル、お前Aにどこまで聞いた？」

丸「俺のファンに散々やられたとこ」

村「どんなやつか聞いたんか？」

丸「男か女かも知らんけど、まぁ女やんな」

今日は俺と村上くんだけ休みの日

Aちゃんは事務所に用がある言うて出掛けてった

丸「村上くんは全部知ってんねやろ？」

村「まあ、一応」

丸「Aちゃんを酷い目に合わせたんどんなやつ？」

村「お前にだけは絶対教えへん」

丸「なんで。Aちゃんの力になりたいねんけど」

村「教えへん。マルにだけは言われへん」

丸「自分だけでAちゃん救おう思ってるん？」

村「ちゃうわ。……言われへんのや、お前には」

それ以上聞くな

と、村上くんの表情が物語る

村「Aはお前のこと好きやったんやろ」

丸「そうみたいやけど？」

村「ほんで、お前もAのこと好きなんやろ？」

丸「……やったら何」

村「なら尚更聞くな。知らんほうがええこともある」

出ていこうとする村上くんを止める

けど、

村「お前が知っても、その後にAが傷つくだけやからな」