ひとつ、屋根のしたで。 (ページ16)

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ちょっとずつ

ちょっとずつ

また僕らに近づこうと

好きになろうとしてくれてる彼女

あの日のAちゃんの告白から

心のどこかでいつも彼女のことを気にかけて

" まるちゃんが好きだったの "

ってあの言葉が

彼女を見る度に思い出される

・

あの日、Aは言い方を濁したけど

嫌がらせを受けてたのも知ってる

その主犯である前の会社の上司の女のことを

Aちゃんはきっと、僕に話したくないんやと思う

理由はわからん

悔しい

僕は彼女のことをまだ全て知ったわけやない

村上くんのほうが僕よりもAちゃんを知ってる

そう思ったら悔しくて仕方なくなる

ほんとは

「最近どう？」って質問の本当の意味は

「僕らがいない時なにしてんの？」

って意味やなくて

ほんまは _______

「僕のことどう思ってる」って

僕１人についてのことを聞きたかった

Aちゃん、

『まるちゃんのこと、ほかの呼び方で呼びたくなって』

なんて言うたらあかんよ

Aちゃんに全部持っていかれそうになんねん

心も、身体も、

君になら奪われてもいい、全部あげたい、なんて

まるで女みたいな感覚に襲われる

僕は、

君のことが好きなんや _____