二度寝 Ys55 ページ7
「...ん、な」
意識がにゅっと浮上した。
瞼を閉じてもう一度寝ようとしてもどんどん意識は冴えていく。まだ朝晩は寒い日本の春は、起きるには少し時間のかかる季節であって、掛け布団の中の睡眠時間分の体温が心地よくてのろのろ微睡んでいると、腕の中のものがもしょもしょうごいた
「.......A？」
「ん...ぅ、ん」
「まだ眠いん？...かわいいなぁ」
胸筋にぐりぐりと頭を押し付けてきたAの頭をゆるりと撫でる。すこし癖のあって、寝癖のぴんぴんしたAの髪をゆっくり手で鋤いて、俺のスウェットを握る手をほどいた。
呼吸するたびに肩が少し動いて、俺とは違う日焼けしてない肌が生意気温かくて心地よい。しかもシャンプー？リンス？分かんないけどめっちゃいい匂いする。
「.........ぬ゛、ん...むねくん？」
「うん、おはよ」
「むねくん、...」
髪を触ったり頭を撫でた衝撃で起きたのか、目をぱちぱちさせて俺を見たA。舌足らずにおはようと言ってまた眠りにつこうとしている彼女がとてもかわいい。守りたい、この笑顔。
「まだ寝る？」
「...むねくんは？」
「俺はもうだいぶ」
「じゃあ、わたしもおきる、ぅ...」
「.........ふは、寝てんじゃん」
起きてるもんと返事こそ返ってくるものの、瞼は閉じかけているし声もまだ眠そうでむにゃむにゃしている。桃色の柔らかそうな唇が目前で、思わず手でふにふに触れる。すると、何を勘違いしたのか、Aが唇に触っている指をはむ、と口に入れた。あまりの出来事にびっくりしていると、赤ちゃんみたいにちゅう、と吸い付く。柔らかい舌の感触がダイレクトに伝わってきて、そこで慌てて指を引っ込めた。
「ばっ！！...なんちゅうことを...」
俺の動揺を他所にまた眠ったA。まじでびっくりした。急にかわいいことしないでほしい、心臓持たない。スウェットの裾は握ったまま、すうすう寝息をたてる彼女に小さくキスをした。むにゃむにゃ幸せそうに夢にダイブしたAに倣って、朝の俺、おやすみなさい。
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あかめ(プロフ) - 時雨さん» お読み頂きありがとうございます。🦄のお話、本当はハピエンにするつもりが、逆になってしまったんです(笑)。リクエスト、是非書かせていただきます。ありがとうございます。 (2023年5月7日 16時) (
レス) id: 8d65ae783b (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 初コメ失礼します。🦄のお話読みました、とても好きです。烏滸がましいですがその後の話読んでみたいです。よろしくお願いします。 (2023年5月7日 16時) (レス) id: 77edbc8a81 (このIDを非表示/違反報告)
あかめ(プロフ) - Pi-Piさん» リクエストありがとうございます。お話がお気に召されたようでとても嬉しいです、ありがとうございます。 (2023年4月7日 17時) (レス) id: bb30b1248c (このIDを非表示/違反報告)
Pi-Pi(プロフ) - はじめまして!どのお話も凄く良かったです…!!もし可能であれば優勝後のヌートバー選手のお話を読んでみたいですm(__)m (2023年4月7日 11時) (レス) id: 4aa2dc2ae2 (このIDを非表示/違反報告)
あかめ(プロフ) - un1さん» ありがとうございます。そういっていただけてタイヘン光栄です。 (2023年3月26日 9時) (レス) id: 8d65ae783b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あかめ | 作成日時：2023年3月21日 13時
