伊野尾と俺らの不思議な毎日

22世界 ページ23

有岡side



コソッ
有「こちら、有岡。いのちゃんは突き当たりを右に行きました、どうぞ。」


コソコソッ
山「こちら、山田。今からこっそり出ます、どうぞ。」

有「OK、誰もいないぞ、今のうちだ！」


え、なにをしてるかって？

尾行ですよ、尾行！



お昼寝の時間、俺と山田が布団を抜け出して、いのちゃんの後ろをついていきたいと思いますっ！


山「教室を出た廊下にいる。先生来ますか？どうぞ。」

有「先生はこない。早く来い！」

山「イエッサー！」


あ、なにで話してるか？

これ、おもちゃのトランシーバー。
あ、おもちゃだからってバカにしてるでしょ？

これは俺らでちょこーっと改造した、ほぼ本物のトランシーバーなのです。


有「…お、山田ーこっちー」


山「大ちゃん！…いのちゃんは？」

有「あそこを右に曲がってったよー！

…てか、それ何？」

山「え？あぁこれ、ミサンガ！母さんがくれたんだ。みんなの分も今度持ってくるね！」

嬉しそうな顔をする山田。

…って、早く行かなきゃ！


そろりそろりと足音を忍ばせて歩く。

気分はまるで007…




…あ、ここ。

有「体育館…？なんでだろ。」

山「えーっと、いのちゃんは…」



いた。


…って、ドッヂボール？


山「な、なにしてるんだろう…ボール持って…」

有「考え事してるみたいだけど…。」


やっぱり不思議なことだらけだ。



伊「…帰ろ。」


『やばっ！』


俺らはなるべく静かに、急いで帰った。


今日は報告会だな！

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