伊野尾と俺らの不思議な毎日 (ページ20)

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19世界ページ20

薮side

山「いのちゃんは何か隠してます！」

俺たちの前で高らかと言った山田。

薮「…なにを？」

山「それはわかんない…から、調べよう！」

高「えっ、調べるの？」

有「なにそれ探偵みたいじゃん！

…伊野尾さん、俺分かってしまいました。
僭越ながら。」

知「それパクリじゃん…」

みんながぎゃーぎゃーと騒ぐ。

薮「調べるったって…俺らまだ幼稚園生だぞ？
どうやって調べるんだよ。」

岡「あ、そっか。」

八「えっ考えてなかったんだ！」

山「そこは頭の良い薮さんに考えていただいて…♪」

薮「はぁ…。
おい、裕翔。お前からもなんか言ってや…

裕翔？」

中「…」

みんなが騒ぐ中で、1人だけず～んと沈む裕翔。
体育座りでいじいじとしている。

知「あぁ、それね。
さっき僕と涼介と圭人でいたら、いのちゃんが

【ま、3人仲良くね】

って言ってさ。」

あー、…いじけてるってわけね。

岡「裕翔、しょうがないじゃん…その時はその3人しかいなかったんだもん。」

中「…でも…俺も7なのに…」

知「裕翔気にしすぎー」

中「…いじいじ」

薮「効果音まで使い始めた…」

こうなると割と面倒くさい裕翔。

中「俺だけ…俺だけ仲良くできないんだ…」

山「…ゆーてぃ。」

中「…何…」

山「俺は、裕翔くんと親友でいたいけど。

…ずっと。」

知「きました、裕翔の大好きな「裕翔くん」よび！100ポイント！！」

高「さらに「親友」に150ポイント！！」

有「そして決め手は「…ずっと」！！！
裕翔に200ポイント！！！」

薮「こいつら…もこいつらだが、山田も山田だ。」

八「面倒くさいからって奥の手をさらっと使うあたりさすがだな」

裕翔と言えば、山田の方を見てうるうるしている。

中「山ちゃんッ！！！やっぱり山ちゃんが心の友だよ！！」

山田にぎゅーーっと抱きつく裕翔。

何はともあれ…解決？

山「…やっぱり面倒くさい…」(ボソッ)

…最後に山田がそう呟いたのは、聞かなかったふり。