そばにいさせて【怪盗キッド】

お宝攻防戦 15 ページ44

「ガンベルトの展示ケースの上に例の3品が置いてありますよ」



鑑定家の華村が話す。
その隣には樽見が立っていた。



華村はケースの上に置いてある盃を取る。




「おっといけない。盃に私の血が着いてしまった」



わざとらしく盃に触る。

そして続けて話す。




「まぁ、3つとも模造品のようですし問題はないでしょう」




「問題ないといえば、このガンベルトだが……」



(始まるぞ……)



私は展示室に入り、華村たちの横に立つ。

続いて蘭達も入っていく。



樽見はガンベルトのケースを持ち上げ、中を確認する様子を見せた。




「ん！？な、中の防犯装置が壊されている！」

わざとらしく華村が声を荒らげる。




よく見ると展示ケースの端っこがめくれ、中にある機会の導線が千切られていた。




「中のガンベルトはキッドがすり替えた偽物か！くそー！！」


ケースを乱暴に戻す樽見。



(手馴れてるなぁ……)


感心した様子で2人を見る。




すると中森警部が二人の間から顔をのぞかせた。




「おやぁ？その説明プレートなんか垂れてるぞ？絵の具かぁ？」




(ナイスだぜ、中森警部)




中森警部はプレートを取り、マジマジと見る。


「そうか、水性ペンで文字を書き水で濡れて下の文章が現れるようにしてあったんだな」



納得しながらハンカチで拭く。

その横から次郎吉さんが近づいてくる。


「で、書いてある文章は？」



「えーと……元々このガンベルトは真っ赤な偽物……！？」




語尾がだんだん強くなっていく。

中森警部は続けて読んでいく。


「何故なら、盗まれることを想定して大量に作ったものだから……！？！」




「「えぇ！？」」



みんな一斉に樽見と華村を見る。



「ば、馬鹿な事を言うな！そんな事をする理由が一体どこに！」


樽見が必死に否定する。



周りを見ると、ここで推理を披露するはずのコナン君がいない。


私は1歩前に出て話す。



「盗まれたことがニュースになり、世間に広がる。そして……龍馬ファンのお金持ちに、これは盗まれたお宝だと言って売りつける」



「Aの推理ショーだわ！」


園子のテンションがあがる。

「久々だね！」


蘭も少し高い声になっている。



私が推理した訳では無いが、ここでタネ明かしをするのが1番いい。


私は続けて話した。

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